研究課題/領域番号 |
12750729
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
工業物理化学
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
金子 聡 三重大学, 工学部, 助手 (70281079)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2001年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2000年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | CO_2 / メタノール / 物理吸収液 / 光電気化学的還元 / 電気化学的還元 / 一酸化炭素 / ギ酸 / 地球温暖化 / 炭酸ガス / エネルギー |
研究概要 |
近年、大気中の二酸化炭素濃度(CO2)の増加に伴い、地球温暖化が懸念されてきている。したがって、CO2の変換技術の開発が急務であり、電気化学的手法、特に太陽エネルギーを直接利用できる可能性のあるp型半導体電極を用いた光電気化学的が極めて有望な方法の一つとなっている。p型半導体電極を用いたCO2の光電気化学的還元は、これまで水溶液中でほとんど行われてきており、CO2の分離回収法で物理吸収液として用いられているメタノール溶媒中では行われていない。メタノールを用いたCO2の分離回収プロセスはRectisol法と呼ばれ、これまで70基以上の工業プラントの実績があるため、このRectisolプロセスと光電気化学的還元プロセスを組み合わせることができれば、実用化に向けて大きく前進すると思われる。このような背景から、本研究では各種p型半導体電極を用いたメタノール溶媒中のCO2の光電気化学的還元を行った。さらに、半導体電極表面に金属を修飾し、還元効率の向上を図った。 光電気化学的還元には、アノード室とカソード室をイオン交換膜で仕切ったパイレックスガラス製H型セルを用いた。作用電極にはp-Si、p-GaAs、p-InPを用いた。対極にはPtを、参照電極にはKCl飽和Ag/AgCl電極を使用した。主な還元生成物は、COとギ酸が得られた。CO生成の順序はp-InP>p-GaAs>p-Siであり、ギ酸生成の順序はp-Si>p-GaAs>p-InPであった。メタノール溶媒中では、p-InPが最もCO2の還元に有効でありで、最適条件下でCO2の総還元効率は55.6%に達し、水素生成は23.4%まで抑制された。 生成物選択性や還元効率の向上を目的とし、p-InP表面に金属(Ag、Au、Cu、Ni、Pb、Pd)を担持し、CO2の光電気化学的還元への効果を調べた。金属を担持したp-InP電極では、電気化学的還元おける担持金属の電極触媒特性と類似していた。電気化学的還元で炭化水素類を生成するCu電極は、一酸化炭素が主生成物となり炭化水素類は生成しなかった。Ag、Au、Pdでは一酸化炭素が主生成物となり、特にAgは一酸化炭素の電流効率が80.4%まで向上した。Pbを担持すると、ギ酸の電流効率が向上した。Niを担持すると、担持した他の金属では得られなかった炭化水素類が微量ながら生成した。
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