研究課題/領域番号 |
12750731
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
工業物理化学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
保原 大介 京都大学, 工学研究科, 助手 (60303864)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2001年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2000年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | 自己組織化単分子膜 / アルカンチオール / 走査トンネル顕微鏡 / 表面反応 / Au(111) / 還元的脱離 / 原子間力顕微鏡 / n-butyl isocyanate |
研究概要 |
本研究では、金属単結晶表面に形成させた有機単分子膜表面を反応場とした化学反応を走査プローブ顕微鏡によりその場観察し、界面における化学反応メカニズムや生成物の構造を明らかにすることを目的とし。以下の成果を得た。 走査プローブ顕微鏡による界面におけるの化学反応の直接観察 金(111)面上に形成させた3-mercapto-1-propanol(MPOH)からなる自己組織化単分子膜(SAM)へのn-butyl isocyanateの付加反応をin-situ走査トンネル顕微鏡(STM)測定により観察した。反応時間が長くなるにつれ、付加したn-butyl isocyanateに由来した相対的に高く観察される直径数十nm程度の大きさのドメインの面積が増加した。しかし、十分反応時間を長くしても、完全に均一な表面は、観察されなかった。このことは、反応が進行するにつれ、表面で分子が混み合ってくるため、反応が完全に進行しないことを示唆している。 ドメインサイズと表面付加反応の反応性の関係 ドメインサイズの異なるMPOHと1-tetradecanethiolの二成分チオールSAMを形成させ、表面での分子の混み具合とn-butyl isocyanateの反応性の関係をサイクリックボルタンメトリーにより調べた。直径が数百nmから約5nm程度までの異なるドメインサイズをもつ二成分チオールSAMのいずれを用いた場合も、反応性を表す吸着したチオールの還元的脱離のピーク電位のシフト量はほぼ一定で、表面における化学反応に特異的な反応性は、数十分子以下に相当する領域で起こることが示唆された。 表面化学反応を利用した酵素の選択的固定化 Dithiobis-N-succinimidyl propionate(DTSP)と1-tetradecanethiolの二成分SAMのDTSPドメイン上に西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)を反応させ、原子間力顕微鏡によりHRP分子の表面分布を調べた。HRPに由来するナノメートルオーダーのドメインのサイズと形状が、DTSPのものと良く一致し、表面化学反応を利用して酵素の表面分布をナノメートルスケールで制御できることを明らかにした。
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