研究概要 |
優れた一電子還元力とルイス酸性を併せ持つ三価チタン錯体Cp_2TiPhが、3,4-位に不斉点を有する光学活性ヘキサ-1,6-ジアールのピナコール環化反応を効率良く触媒し、オールトランス異性体のみを選択的に与えることを明らかにした。また、光学活性ビナフチルジアールの触媒的ピナコール環化にも成功しした。いずれの例においてもほぼ100%の光学純度が達成された。更に、本手法を不斉触媒反応へと展開するため、面不斉を有するアレーンクロム錯体やフェロセン錯体を、四座配位子であるサレン配位子に組み込むことにより、低原子価チタン錯体とクロムあるいは鉄の光学活性錯体部位を併せ持つハイブリッド錯体の合成を現在検討中である。
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