研究課題/領域番号 |
12750768
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
合成化学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
松原 公紀 九州大学, 機能物質科学研究所, 助手 (00294984)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2001年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2000年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | クラステー触媒 / ヒドロシリル化反応 / 共役π配位子 / シリル錯体 / 開環重合 / ポリエーテル / ポリシロキサン / クラスター触媒 / ヒドロシリル化 |
研究概要 |
本研究では、触媒的ヒドロシリル化反応を基軸とする高い活性を有する含ケイ素有機金属クラスターの創製とその新規触媒反応の開発を目的として研究を行っている。昨年度は、種々の類似のクラスター触媒の反応性の系統的な調査と、テトラメチルオキサジシラシクロペンタンからポリシルエーテルを与える開環重合を検討した。本年度は触媒反応の中間活性種を捕捉すること、そこから得られた知見を元とする高活性触媒反応の開発による新規反応の発見を目的として研究を行った。まず、反応性の比較的低いクラスターを選び、ヒドロシランとの量論的な反応を行った結果、配位不飽和なシリルヒドリドクラスターを単離することに成功した。このクラスターは高い触媒活性を有するとともに、触媒反応終了時に再生することを明らかにした。すなわち本触媒系では反応の前後でクラスター骨格が保持されているという重要な知見を得た。この結果は現在Organometallics誌で掲載準備中である。以上からクラスターとヒドロシランが初期に反応することがヒドロシリル化反応の鍵となると考え、反応前に触媒とシランを予め反応させる触媒活性化法を開発した。その結果反応速度が大幅に向上し、第2世代の新規触媒反応開発への重要な足がかりとなることを明らかにした。すなわち、この方法により従来ヒドロシリル化触媒では困難とされ、数例しか報告のないカルボン酸およびその誘導体の還元反応によるアルコールあるいはアミン合成を室温で容易に達成することが可能である。この結果は現在特許出願中であるとともに投稿準備中である。また、これまで真空条件でしか反応が進行しなかった環状エーテル類の開環重合反応についても不活性ガス下で容易に進行し、分子量制御等反応を自由にコントロールできることを明らかにした。以上の結果は今後のクラスター触媒の開発研究の重要性を充分にアピールするものであり、今後、より詳細な反応機構研究によるクラスター触媒の役割の解明を通じてさらなる新規反応の開発を可能にするものと考えられる。
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