研究課題/領域番号 |
12750791
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
高分子構造物性(含繊維)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
池原 飛之 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (90242015)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2001年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2000年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 相互侵入球晶 / ポリ(ブチレンサクシネート) / ポリ(塩化ビニリデン-co-塩化ビニル) / ポリ(ブチレンサクネシート-co-ブチレンカーボネート) / poly(L-乳酸) / ポリマーブレンド / 複屈折 / ラメラ / 高分子ブレンド / ポリブチレンサクシネート / 偏光顕微鏡 / 原子間力顕微鏡 |
研究概要 |
前年度に引き続き、結晶性/結晶性ポリマーブレンドであるポリ(ブチレンサクシネート)/ポリ(塩化ビニリデン-co-塩化ビニル)(PBSU/PVDCVC)ブレンドの球晶構造に関して解析を行った。先年度において、PBSUの球晶がPVDCVCの球晶に浸入していく相互侵入球晶(IPS)が発見された。その形成過程を光学顕微鏡観察および原子間力顕微鏡により更に解析した。また、新たなブレンド系の探索も行った。以下に今年度の主な成果を示す。 PBSUとPVDCVCの球晶内のラメラはそれぞれ密と疎であり、隙間の多いPVDCVC球晶内にPBSUのラメラが侵入していくことによりIPSが形成されるというモデルを検証した。その結果、IPS形成のためにはPVDCVC球晶のラメラ間にPBSUのメルトが残っていること、PVDCVCの球晶内でラメラ・フィブリル間に隙間があることが重要な要因であることが判明した。またブレンド試料のPBSU球晶は正でも負でもない複屈折を示すが、これはラメラが螺旋状に成長していくからであることが分かった。 新たな融点以上で相溶性を示す結晶性/結晶性ブレンドポリ(ブチレンサクシネート-co-ブチレンカーボネート)/poly(L-乳酸)(PEC/PLLA)ブレンドを発見した。光学顕微鏡を用いてこの系の結晶化を観察した結果、PLLA分率(φ)0.1<φ<0.6、結晶化温度(Tc)60℃<Tc<90℃で両成分の球晶成長が観察できた。このブレンド系におけるIPS形成の可能性について検討した結果、0.1<φ<0.6かつ60℃<Tc<70℃でPEC球晶はPLLA球晶内に侵入して成長を続けることを確認した。PLLA球晶の複屈折の変化を考察することにより、PECのラメラがPLLA球晶に侵入していること、つまりIPSを形成していることが示された。
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