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高分子系におけるダイマーカチオンの形成ダイナミクスと電荷共鳴安定化

研究課題

研究課題/領域番号 12750797
研究種目

奨励研究(A)

配分区分補助金
研究分野 高分子構造物性(含繊維)
研究機関京都大学

研究代表者

大北 英生  京都大学, 工学研究科, 助手 (50301239)

研究期間 (年度) 2000 – 2001
研究課題ステータス 完了 (2001年度)
配分額 *注記
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2001年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2000年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
キーワード1, n-ジナフチルアルカン / 分子内ダイマーカチオン / 電荷共鳴安定化 / van't Hoffプロット / 標準生成エンタルピー / 反発エネルギー / ホール / 電荷非局在化 / α,ω-ジナフチルアルカン / 閉環確率 / Arrheniusプロット / 活性化エネルギー
研究概要

1.1,n-di(2-naphthyl)alkane(DNpn)による分子内ダイマーカチオン形成-エキシマーとの相違
DNpn(n=3,5,7,12)の過渡吸収測定を350-2000nmにわたって行うことにより、カチオン帯ならびにダイマー形成にともなう電荷共鳴(CR)帯を同時に観測することに成功した。DNpnにおける分子内Npエキシマーはn=3に対してのみ形成すると報告されているが、Npダイマーカチオンは全てのメチレン鎖長nに対して形成することが観測され、エキシマーとダイマーカチオンとの相違を明らかにした。これは、Npカチオンの寿命がNp励起一重項状態の寿命に比べて長く、Npダイマーカチオンの安定化エネルギーがNpエキシマーの安定化エネルギーに比べて大きいことに起因する考えられる。
2.分子内ダイマーカチオン形成のエネルギーダイアグラムの解明
NpモノマーカチオンおよびNpダイマーカチオンを同時に観測し、そのスペクトル分割に成功したので、両者の濃度比[D]/[M]を定量的に評価することができた。濃度比の定常値より平衡定数Kを算出し、van't Hoffプロットから分子内ダイマーカチオンの標準生成エンタルピーΔH^oを求めた。また、CR帯からは電荷共鳴安定化エネルギーE_<CR>を評価した。ΔH^oおよびE_<CR>、は、鎖長の最も長いDNp12において最も大きな値をとり、架橋鎖の束縛が小さなものほど安定なダイマー構造を形成できることを明らかにした。また、ΔH^oとE_<CR>差から、ダイマー形成時の反発エネルギーE_Rを評価したところ、おおよそ5kcalmol^<-1>であることがわかった。この値はNpエキシマーに比べ小さく、エキシマーに比べNpカチオンは比較的ルーズな構造を有することが示唆された。
3.ナフタレン系高分子におけるホールの電荷非局在化
Np三量体モデル化合物およびポリビニルナフタレン(PVNp)に対する過渡吸収スペクトルを同様に測定したところ、Np三連鎖モデルとPVNpに対して観測されたCR帯のピーク波長が一致したことから、PVNp鎖上に生成したホールは主として三つのNp基に非局在化することを明らかにした。

報告書

(2件)
  • 2001 実績報告書
  • 2000 実績報告書
  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Hideo Ohkita: "Photochromism and Luminescence of Dopant Chromophore through Two-Photon Ionization in Polymer Films"Chin. J. Polym. Sci.. 19. 129-134 (2001)

    • 関連する報告書
      2001 実績報告書
  • [文献書誌] Hideo Ohkita: "Synthesis and Photophysics Properties of [3. 3]Carbazolophanes"Chem. Commun.. 1914-1915 (2001)

    • 関連する報告書
      2001 実績報告書
  • [文献書誌] Hideo Ohkita: "Intramolecular Excimer Emissions of syn-and anti-[3. 3](3, 9)Carbazolophanes in Solutions"J. Phys. Chem. A. 106(発表予定). (2002)

    • 関連する報告書
      2001 実績報告書
  • [文献書誌] 大北英生: "二光子励起による放出電子の空間分布"光化学. 31. 84-91 (2000)

    • 関連する報告書
      2000 実績報告書
  • [文献書誌] Hideo Ohkita: "Direct Evaluation of Spatial Distribution of Electrons Ejected by Two-Photon Ionization of Aromatic Molecules in Ultrathin Polymer Films"Chem.Lett.. 1092-1093 (2000)

    • 関連する報告書
      2000 実績報告書
  • [文献書誌] Hideo Ohkita: "Spatial Distribution of Electrons Ejected by Two-Photon Excitation of Aromatic Molecules in Polymer Systems"Radiat.Phys.Chem.. 60(発表予定). (2000)

    • 関連する報告書
      2000 実績報告書

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公開日: 2000-04-01   更新日: 2016-04-21  

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