研究課題/領域番号 |
12750802
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
高分子構造物性(含繊維)
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
芹沢 武 (芹澤 武) 鹿児島大学, 工学部, 助教授 (30284904)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
2001年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2000年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | ステレオコンプレックス / PMMA / ポリメタクリル酸 / 立体規則性 / 逐次積層 / 構造複製 / 分子認識 / 水晶発振子 |
研究概要 |
アイソタクチックポリメタクリル酸メチル(it-PMMA)とシンジオタクチック(st)ポリメタクリル酸の組み合わせにより形成される、it/stユニット比が1/2(二重らせん構造)ならびに1/1(ファンデルワールス接触)の超薄膜の逐次調製について、溶媒種を変化させながら検討した。超薄膜を積層する基板として、ナノグラムレベルの積層量が水晶の振動数変化を測定することにより検出できる水晶発振子(QCM)を用いた。溶媒には、it-PMMAにアセトニトリル、DMF、アセトンを、st-ポリメタクリル酸(あるいは以下に述べるキラル誘導体)にそれらと水との混合溶媒を用いた。適当な濃度に溶解し、まずいずれかの溶液にQCMを適当時間浸した。QCMを引き上げ、同一溶媒で十分に洗浄した後、窒素ガスにより乾燥し、振動数変化を測定した。Sauerbreyの理論式(振動数変化[Hz]=1.15x積層量[ng])によりポリマーの積層量を求めた。続いて、もう一方のポリマー溶液に浸し、同様の操作により積層量を定量化した。これらの操作を繰り返すことで超薄膜を積層した。それぞれのステップでの積層ユニット比を導き、溶液系でコンプレックスを形成したときの実験値と比較検討した。それぞれのポリマーを積層させたときの静的接触角を測定した。得られた薄膜の反射赤外吸収スペクトルを測定し、コンプレックスを形成した際に観察されるカルボニル基の伸縮振動あるいは主鎖のメチレンロッキングのピークシフトを評価した。原子間力顕微鏡により薄膜表面の凹凸を観察した。得られた超薄膜を、クロロホルムなどのit-PMAAに対する良溶媒あるいはアルカリ水溶液などのst-PMMAに対する良溶媒に浸すことで選択的に片方のポリマーのみを抽出できた。得られた多孔性超薄膜に対する再吸着挙動について解析した。再吸着に対する溶媒種、ポリマー濃度(結合定数の算出)、分子量、膜厚の影響について検討した。
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