研究課題/領域番号 |
12760006
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
育種学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
魚津 桜子 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 助手 (10293713)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2001年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2000年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | イネ / 節間伸長 / 形態形成 / ブラシノステロイド / 遺伝子単離 / 突然変異体 |
研究概要 |
イネの節間組織の形成および節間伸長の遺伝的制御機構を解明するために、植物の茎伸長に重要な役割をもつことが明らかになっているブラシノステロイド(BR)のイネにおける作用特性について解析した。 イネ植物体が示すBRに関連する生理的特徴、すなわちBRに対する反応性および暗黒下における形態形成に着目して、BRの合成および応答・伝達に関する突然変異体のスクリーニング法を確立し、その方法に従って、既存の矮性突然変異体の中からBRの合成に関する変異体を14系統、BRの受容に関する変異体を7系統同定した。これら変異体の原因遺伝子を明らかにするために、変異体間の交雑による対立性検定を行うとともに、各変異体のインド稲との交雑F_2における分子マーカーを利用した連鎖解析を行った。その結果、昨年度に本研究で単離したBRの合成系遺伝子OsDWARFに関する変異体を2系統、既知のBR受容遺伝子OsBRI1に関する変異体を2系統獲得し、さらにこれまでに報告されていない新規の遺伝子が原因とみられる変異体を多数同定することができた。このことは、本研究で確立したスクリーニング法の有効性を示すとともに、変異体を利用してBRに関する新規遺伝子の単離が可能となることを示している。また、同定したBR関連突然変異体が示す形態的特徴について詳細に解析したところ、葉鞘の特異的短縮、節間の完全な非伸長が認められた。組織学的には、植物体全体の細胞の伸長抑制が見られるとともに、節間における介在分裂組織の形成阻害、および葉における維管束の形態異常が認められた。これらのことから、ブラシノステロイドはイネの発育において細胞分裂・細胞伸長に密接に関与するのみならず、茎葉における組織分化/形態形成にも重要な役割をもっていることが示唆された。
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