研究課題/領域番号 |
12760025
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
園芸・造園学
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研究機関 | 東京農業大学 |
研究代表者 |
阿部 伸太 東京農業大学, 地域環境科学部, 講師 (70256642)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2001年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2000年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
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キーワード | 風致地区 / 都市化 / 計画手法 / 風致協会 / 風致 / 保全 / 計画スケール / 斜面地開発 / 住宅地計画 / 敷地計画 |
研究概要 |
前年度の成果を踏まえ、2つの課題を設定し研究を進めた結果以下の点が明らかになった。第1の課題である「計画スケールに応じた風致の特性の整理」については、「風致」概念は多様性を持ち、"計画スケールの概念"と"風致の育成概念"を内包していたことが明かになった。つまり、都市、地区、街区、画地の4つのスケールを想定することで、都市化の中での風致の実態を構造的に把握し、適切な維持・活用を図るための手法が明らかになった。具体的には、(1)都市スケールでの計画手法は、当該都市における立地選定の手法であり、立地論的、都市史的、自然史的アプローチ、(2)地区スケールでの計画手法は、地域の整備、維持、管理、運営の方向性を示す景観論的アプローチでの区域設定の手法、(3)街区スケールでの計画手法は、土地利用規制的アプローチによる手法、画地スケールでの計画手法は、敷地計画的アプローチによる宅地デザインの手法によって説明された。 第2の課題である「独自性のある都市景観を形成するための手法解析」については、ドイツ、フランス、イギリスにおける都市景観に関する規制、施策の概要を把握し、また、アメリカにおける住宅地開発におけるコンセプト、サイトプランの考え方、および維持管理の知見を得た。一方、国内においては、風致協会の実態把握を行い、その活動が風致概念に含まれる育成概念の具現化に貢献していた実態を明かにした。その上で、近年、風致協会的活動により、地域独自の景観形成、地域コミュニティーの形成に貢献していることが捉えられた。以上の結果より、風致を都市スケール、地区スケール、街区スケール、画地スケール等の計画スケールに応じた手法を整理し、計画・設計・管理・運営のフローに基づいた計画システムを構築することで、風致地区制度は、都市化の中で独自性のある地域形成に有効であることが明らかになった。
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