研究課題/領域番号 |
12760031
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
植物保護
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
海道 真典 京都大学, 農学研究科, 助手 (20314247)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2001年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2000年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 宿主因子 / Brome Mosaic Virus / 細胞間移行 / Gene Silencing / TOM1遺伝子 |
研究概要 |
本研究の目的はBrome Mosaic Virus(BMV)が宿主植物に全身感染するために必須の宿主因子遺伝子を単離することである。筆者はBMVの移行に関与する3aタンパク質と直接結合するタンパク質をコードするNicotiana. benthamiana植物遺伝子18個をそのcDNAライブラリーからFar-Western Blotting法によって単離したことを昨年報告した。そこでこれらの候補遺伝子が本当にBMVの移行に関与するかどうかを調べるために、その遺伝子発現を抑制した形質転換植物の、作出し、そのような植物においてBMV感染が抑制されるか否かを調べた。 近年、導入遺伝子が二本鎖RNAの形で発現する形質転換植物ではPost Transcriptional Gene Silencing(PTGS)の誘導によって高い確率で導入遺伝子およびそれと高い相同性をもつ内在性遺伝子の発現が共に抑制されることが明らかとなった。そこでシロイヌナズナの変異体から単離されたTobacco mosaic virus(TMV)の増殖に関与するTOM1遺伝子のN. benthamianaにおけるホモログであるNbTOM1遺伝子を単離し、この一部分を三本鎖RNAとして発現する形質転換N. benthamianaを作出した。これらの植物では内在性のTOM1 RNAの蓄積量が減少し、さらにTMV接種に対して病徴の進展が遅延することがわかった。この結果からPTGSによる内在性遺伝子発現の抑制が宿主遺伝子探索に応用できることが判明したので、18個の候補遺伝子についても同様に形質転換植物を作出した。18個の遺伝子のうちこれまで1つの遺伝子(nascent polypeptide associated complex α=NAC遺伝子)についてのみ解析が終了している。二本鎖NACを発現する形質転換植物10ラインについてBMV接種実験を行ったが、BMV感染が阻害されるものは無く、逆にBMV蓄積量が若干増加するラインがいくつかあったことから、NAC遺伝子にはBMV感染を制御する機能があると推測している。現在、残りの遺伝子についても形質転換植物のBMV感染実験を継続している。
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