研究課題/領域番号 |
12760057
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用微生物学・応用生物化学
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研究機関 | 奈良先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
明石 欣也 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 助手 (20314544)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2001年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2000年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 野生スイカ / 乾燥応答遺伝子 / 蛍光ディファレンシャル・ディスプレイ / シトクロムb561 / メタロチオネイン |
研究概要 |
アフリカ、ボツアナに自生する野生種スイカは、一般に乾燥に弱いとされるC3型の光合成を営むにもかかわらず、超乾燥・高温に対して極度な耐性を有している。その分子機構を解明するため、乾燥ストレスにより発現量が変動する遺伝子を探索し、アセチルオルニチン脱アセチル化酵素(ArgE)、メタロチオネイン(MT)と、新規2ヘム型シトクロムb(シトクロムb561)のmRNA蓄積量が増大することが見出された。 ArgEはアルギニンの生合成に関与すると考えられたため、野生種スイカの葉内の遊離アミノ酸量を測定したところ、アルギニン生合成系の中間体であるシトルリンが、乾燥ストレスにより細胞質中に約300mM程度まで蓄積することが判明した。さらに、シトルリンとヒドロキシルラジカルの二次反応速度定数は約3×10^9 M^<-1>s^<-1>であることが判明し、シトルリンが極めて優れた活性酸素消去能を有することが明らかとなった。またシトルリンは、代謝酵素の機能を阻害せず、細胞代謝に悪影響を与えないことも確認された。以上より、シトルリンは乾燥下での野生種スイカの酸化的傷害を抑制していると考えられた。 MTは野生スイカにおいて超乾燥・高温下で発生する活性酸素の消去に関わる可能性が考えられた。現在、精製組換タンパク質を用い、MTの活性酸素消去活性について生化学的な解析を行っている。さらに、MT遺伝子をタバコ葉緑体ゲノムに導入した形質転換植物を作製した。今後この形質転換植物を用い、MTの生き理学的意義ならびに植物工学的可能性について検討したいと考えている。 また、シトクロムb561は細胞質膜に局在することが示唆され、細胞外への還元エネルギー運搬に機能すると予想された。この仮説を評価するため、酸素電極と還元エネルギー指示薬を用いて、野生スイカの葉切片における細胞外への還元エネルギー伝達量を測定したところ、その値は他の植物に比べて顕著に高く、また乾燥ストレスの経過にともない増大することが明らかとなった。さらに、シトクロムb561のタンパク質レベルでの蓄積量と、細胞外への還元エネルギー伝達量との間に、正の相関が見られることが明らかとなった。以上の解析よりシトクロムb561が、乾燥ストレス下で発生する余剰エネルギーの散逸を通して、乾燥および高温耐性に寄与する可能性が考えられた。
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