研究課題
奨励研究(A)
1.サイトカイニン応答性遺伝子の探索サイトカイニン早期応答性を示すcig遺伝子群数種がに発現誘導される新規遺伝子群cigをディファレンシャル・ディスプレイ法によって同定した。その完全長cDNAの単離、機能解析を行った所、プロリン脱水素酵素と高い相同性をしめすcig1、GDP/GTP交換因子ファミリーに相同性を示すcig2が単離された。プロリンはタンパク質の構成成分である基本アミノ酸のひとつであるが、プロリンの合成、分解に関わる酵素が植物ホルモンによって発現調節されている報告例はない。またこのcig1は、オーキシン共存下では明瞭なサイトカイニン応答性が認められるが、オーキシン非共存下ではアブシジン酸によっても発現応答を受ける事が確認された。cig2は、タンパク質合成の開始時にmRNA/リボゾームと結合するGTP結合タンパク質eIF2に対する調節因子eIF2Bファミリー、ras、rab、rhoと分類される発癌原因性GTP結合タンパク質に対する調節因子であるGDSファミリーと相同性が認められた。組織別発現量は花芽のつぼみで最も高く、GFPを用いた解析により核移行性が確認された。また、アラビドプシスに認められたcig2相同性遺伝子の破壊株は、予備的知見ながら著しい早期花成が認められた。破壊株と共に作成中の形質転換体を用いて、cig2の植物体における機能解析を続ける予定である。2.サイトカイニン応答性遺伝子cigの発現変動を指標としたサイトカイニン生合成阻害剤の探索サイトカイニン刺激に対する早期応答性が確認されたcig2は、Arabidopsisゲノム上に高い相同性遺伝子が確認された。この遺伝子のプロモーター領域約1kbpと発色遺伝子GUSを融合させたベクターを作成し、植物体に現在導入中である。このT2世代発芽種子を用いてサイトカイニン生合成阻害剤迅速検定系の適用を試みる予定である。
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