研究課題/領域番号 |
12760100
|
研究種目 |
奨励研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
林学
|
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
斎藤 秀之 北海道大学, 大学院・農学研究科, 助手 (70312395)
|
研究期間 (年度) |
2000 – 2001
|
研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
|
配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2001年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
2000年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
|
キーワード | 光合成特性 / 遺伝子発現 / 自然環境下 / ブナ / RuBisCO |
研究概要 |
(1)黒松内ブナ二次林の樹冠における光合成特性の季節変化 2000年に引き続き、ブナ樹冠の葉の光合成特性の季節変化を調べた。2001年の5月と6月は雨量が例年と比べて少なく、土壌のpFが2.5を超えて乾燥する日が続いた。2001年6月の光合成能力は2000年6月に比べて低くかった。また葉のカーリングが見られたために、光合成能力が低い原因は土壌水分ストレスによるものと考えられた。その後、7月からは2000年と同様の光合成能力の季節変化を示した。 (2)光合成速度の光反応時間 光合成特性の決定における遺伝子発現調節の環境シグナルの一つとして、光合成に過剰な光エネルギーが予想される。野外では光強度が大きく変化するため、その変化に追従して光合成速度も変化する。しかし、弱光から強光へ変化したときには、気孔開閉のタイムラグにより、吸収して利用できない過剰な光エネルギー由来の電子が生まれる。そこでブナ陽樹冠と陰樹冠および林床に生育する広葉樹11種の光合成速度の光反応時間を調べた。ブナ陰樹冠と林床の広葉樹は反応時間が10分ほどであり、ブナ陽樹冠では20分ほどであった。陽葉と陰葉では光合成に利用できない過剰な光エネルギーを受ける時間が異なるため、この間の過剰電子の行方と、遺伝子発現との関連性を調べる必要があることがわかった。 (3)アブラムシの吸汁が葉の光合成能力とRuBisCO含有量に与える影響 ブナの葉の外的ストレス要因としてアブラムシの吸汁に注目し、光合成能力と炭酸固定の鍵酵素であるRuBisCO含有量の関係について調べた。アブラムシが葉の基部を吸汁すると光合成能力が個葉全体で低下した。同様にRuBisCO含有量は光合成能力と同程度の低下を示し、光合成能力の低下はRuBisCO含有量の低下が深く関与していることが示唆された。
|