研究課題/領域番号 |
12760131
|
研究種目 |
奨励研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
水産学一般
|
研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
森山 俊介 北里大学, 水産学部, 講師 (50222352)
|
研究期間 (年度) |
2000 – 2001
|
研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
|
配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2001年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2000年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
|
キーワード | ニホンウナギ / インスリン様成長因子 / 成長ホルモン / 成長促進 / 海水適応 / 人工孵化仔魚 / 発達 / IGF-I / IGF-II / cDNAクローニング / 遺伝子発現 / 成長 / オスとメス / 淡水と海水 |
研究概要 |
本年度は、ニホンウナギからクローン化した2つのIGF-IcDNAをプローブとして、(1)ウナギの成長過程、成長ホルモン(GH)投与および環境や栄養状態の変化に伴うIGF-ImRNAの発現動態を定量PCR法で調べた。また、(2)人工孵化仔魚の器官形成および発達過程におけるIGF-IおよびGHの組織分布を免疫組織染色法により調べた。 (1)肝臓および鰓におけるIGF-ImRNAの発現動態 ウナギを3ヵ月間飼育し、肝臓のIGF-ImRNAの発現量を調べた結果、いずれの月でも、成長の良い魚ほどIGF-I-Ea1およびEa2mRNAの発現量は高いことがわかった。ウナギに0.25μg/gの組み換えウナギGHを腹腔内注射すると、肝臓および鰓のIGF-I-Ea1およびEa2mRNAの発現量は増加した。また、肝臓および鰓をGHで培養すると、IGF-I-Ea1およびEa2mRNAの発現量は濃度依存的に増加した。一方、海水で飼育したウナギの肝臓と鰓のIGF-I-Ea1およびEa2mRNAの発現量は、淡水飼育魚よりも高かった。これらの結果から、ウナギのIGF-Iは、サケやティラピアなどの広塩性魚類と同様に、成長促進のみならず海水適応にも関与すると考えられる。現在、栄養状態の変化に伴う肝臓のIGF-ImRNAの発現動態を解析している。 (2)人工孵化仔魚におけるIGF-Iの組織分布 孵化仔魚において、下垂体におけるGH産生細胞は、6日目の孵化仔魚から観察された。一方、サケIGF-I抗体に対する陽性反応は、孵化後、3日目までは、頭部の軟骨細胞および体全体の上皮細胞に観察された。また、4日目以降の仔魚では、主に肝臓に認められた。これらの結果は、IGF-Iが孵化仔魚の器官形成および発達に関与することを強く示唆する。
|