研究課題/領域番号 |
12760148
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
農業経済学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
豊田 秀夫 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (30322043)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2001年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2000年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 農村金融 / インフォーマル金融 / バングラデシュ / 貯蓄信用講 / マイクロファイナンス |
研究概要 |
本研究の目的はインフォーマル金融とフオーマル金融との相互作用を明らかにすることである。すなわち、インフォーマル金融の存在がフォーマル金融機関の資金回収率および資金需要に与える効果、また、フォーマル金融プログラムの導入・拡大によるインフォーマルな金融取引への影響について考察することを最終的な目的としている。本年度は咋年度までのファインディングを整理するとともに、国際協力銀行の農村開発信用事業事後評価ミッションに参加し、コミラ県G村でデータ収集作業を実施した。 昨年までのG村およびT村での調査結果からは、(1)インフォーマルな金融取引における主要な資金余剰主体は上位貧困層(the upper poor)であり全体として資金は貧困層から富裕層へと流れていること、(2)インフォーマルな貯蓄信用講は農村住民にとって消費の安定化をはかるだけでなく新しい投資(G村の事例では海外出稼ぎ)機会を享受するためにも貢献していること、などが両村で観察されることが明らかになっていた。 本年度のデータ収集作業からは、明らかになりつつあった地域的差異、すなわち、非農業部門の発展度の差によって、資金の投資先やフォーマル金融のパフォーマンスに相違が見られることを確認できた。非農業部門の発達したG村では富裕層には離農傾向が見られるのに対して、非農業部門が未発達のT村では富裕層の多くは農地を集積し経営規模を拡大している。T村でのマイクロファイナンス事業のパフォーマンスは思わしくなく、借手が多重債務に陥っている状況であるといってよい。 今後はこれまで収集した調査データの整理を進め、論文を仕上げる予定である。
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