研究課題/領域番号 |
12760164
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
農業土木学・農村計画学
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研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
近藤 文義 宮崎大, 農学部, 助教授 (60253811)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2001年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2000年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 有明粘土 / 粘土鉱物 / クロライト / 分散・凝集 / ゼータ電位 |
研究概要 |
クロライトは、スメクタイトやイライトと同様に、海底堆積物中に一般的に存在する代表的な粘土鉱物である。著者らは、従来より諌早湾粘土と有明干拓粘土の沈降特性を実験的に明らかにしてきた。これら2種類の有明粘土においても、クロライトは、スメクタイト、イライト、カオリナイトに次いで比較的多く存在する粘土鉱物である。 粘土の沈降特性に関する既往の研究においては、1:1型粘土鉱物としてカオリナイト、2:1型粘土鉱物としてモンモリロナイト、非晶質粘土鉱物としてアロフェンを使用した研究がほとんどである。本研究では、クロライトを試料土として基礎的な沈降特性とゼータ電位に関する実験を行い、著者らの既往の成果との比較検討を行うことを目的とする。 今年度は、クロライトの分散・凝集特性を把握するために、試験管に試料土とNaOH溶液、NaCl溶液、HCl溶液を適宜加えて初期含水比6000%の泥水を調製し、分散と凝集の判別実験を行った。この場合、比較の対象としてカオリナイトとモンモリロナイトを使用し、同様の実験を行った。その結果、カオリナイトは、pHが10以上であれば凝集状態から遷移領域に移行するが、完全な分散状態は得られなかった。一方、モンモリロナイトは、pHが3以下であれば分散状態から遷移領域に移行するが、完全な凝集状態は得られなかった。これに対して、クロライトは、実験を行った塩濃度およびpHの範囲内においては明らかな凝集状態を示し、遷移領域も示さなかった。また、これら3種類の試料土についてpHを一定の7とした場合についてゼータ電位の測定を行い、カオリナイトでは-20mV〜-25mV、モンモリロナイトでは-30mV〜-35mV、クロライトでは-5mV〜-15mVの値を得た。この結果、実験を行った3種類の粘土鉱物においては、クロライトが最も凝集性が強く、これが有明粘土中に存在する場合は、凝集速度や沈降速度を早める要因となることが示唆された。
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