研究課題/領域番号 |
12760198
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
基礎獣医学・基礎畜産学
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
新井 浩司 東京農工大学, 農学部, 助手 (70293016)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2001年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2000年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 卵胞刺激ホルモン / メッセンジャーRNA / 転写後調節 / インヒビン / アクチビン / フォリスタチン / インビビン |
研究概要 |
1)4日型の発情周期を回帰するラットでは、発情期では抗インヒビン血清投与によりインヒビンのFSH分泌に対する抑制を解除しても、血中FSH濃度の増加は他の時期に比較して低いレベルに保たれた。これは下垂体のFSH含有量の増加率が低いことが原因であることが示唆された。このときFSHβ鎖mRNAのレベルは他の時期に比較しても十分に増加していたことから、発情期のFSH分泌抑制には転写後調節が関与している苛能性が推察された。 2)FSHβ鎖の転写後調節機構を研究するために下垂体の性腺刺激ホルモン分泌細胞由来の株化細胞を樹立することを試みた。マウスFSHβ遺伝子のプロモーター領域下流にSV40ウイルスのT抗原をつなげ、下垂体前葉初代培養細胞にその遺伝子を導入した。その結果、約30クローンの不死化した下垂体細胞を得た。これらのクローンについては現在その性状を解析中である。 3)フォリスタチンはTGF?βスーパーファミリーに属するアクチビンと結合することによってその作用を阻害することが知られており、その作用によって下垂体からのFSH分泌を抑制する。フォリスタチンもインヒビンと同様にFSHβmRNAの発現を転写後調節により抑制する。本研究ではこのフォリスタチンに構造の類似したFLRGのマウスとラットのcDNAを分離し、さらにFLRGがアクチビンおよびBMPとの結合能を持つことを明らかにした。また、FLRGもフォリスタチンと同様にアクチビンの作用を阻害することが明らかとなった。 4)下垂体からのFSH分泌抑制因子であるインヒビンは主に卵巣から分泌される。卵巣ではまた、他のFSH分泌調節因子であるアクチビン、フォリスタチンも生産されている。本研究では、発情周期の変化がこれらのFSH分泌調節因子の卵巣における発現に与える影響に関しても検討し、血中インヒビン濃度と卵巣中のmRNAの変化に強い相関があることを明らかにした。
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