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イニシエーション活性検索法に基づいた中期発がん試験法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 12760211
研究種目

奨励研究(A)

配分区分補助金
研究分野 応用獣医学
研究機関岐阜大学

研究代表者

酒井 洋樹  岐阜大学, 農学部, 助手 (40283288)

研究期間 (年度) 2000 – 2001
研究課題ステータス 完了 (2001年度)
配分額 *注記
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2001年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2000年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
キーワードイニシエーション / 中期発がん試験法 / 肝臓 / CYP P450 / 細胞増殖 / 加算効果
研究概要

中期イニシエーション活性検索法を用いて,変異原性肝発がん物質,非変異原性肝発がん物質,発がんプロモーター,変異原性非発がん物質および肝臓を標的としない変異原性発がん物質のイニシエーション活性をラット肝臓の前がん病変であるglutathione S-transferase placental form(GST-P)陽性巣の誘導により評価した。その結果,変異原性発がん物質では,発がん標的臓器に関わらず,有意に高いGST-P陽性巣の誘導を認めた。したがって,中期イニシエーション活性検索法は,臓器標的性に関わらず,変異原性物質の発がん性を,肝臓のみの検索で短期間に評価できることを示した.
第二に,中期イニシエーション活性検索法の特徴の一つである,検索物質の暴露前の肝細胞増殖刺激がイニシエーション成立に与える影響を各種細胞増殖刺激間で比較した。その結果,肝部分切除(PH)処置では,GST-P陽性巣の誘導は,細胞増殖動態との相関性を示したが,代謝活性化は維持されており,GST-P陽性巣の誘導と細胞増殖動態との間には代謝活性化に起因したと考えられる時間差が見られた。一方,CCl_4処置では,肝小葉中心性壊死による代謝活性化の急激な低下後,代謝活性化が回復に転ずる高細胞増殖期後半で,GST-P陽性巣が有意に誘導された。D-galactosamine(D-gal)処置では,誘導された細胞増殖活性は低く,有意なGST-P陽性巣の誘導があったものの,その程度はPHに比較して低値を示した。以上より,細胞増殖および代謝活性化はイニシエーション成立に影響を及ぼす重要な因子であり,代謝活性化を維持しつつ,高い細胞増殖誘導が得られるPH処置は,中期イニシエーション活性検索法において効果的な細胞増殖刺激法であることを明らかにした。
第三に,イニシエーション活性の加算効果を検討するために,PHまたはCCl_4処置を細胞増殖刺激として用い,イニシエーターの少量分割および大量単回投与においてGST-P陽性巣の誘導を比較した。その結果,PH処置の場合,単回大量,少量分割投与とも総投与量が等しければ,同じ効果が得られた。これに対し,CCl_4処置では,総投与量が同じであっても,大量単回投与に比較して少量分割投与の方がイニシエーション活性の検出感度は高かった。さらに異なる種類のイニシエーターの併用投与でも加算性が成立したことから,複合的発がんリスクの評価における有効性も示された。

報告書

(2件)
  • 2001 実績報告書
  • 2000 実績報告書
  • 研究成果

    (9件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (9件)

  • [文献書誌] Sakai, H., Tsukamoto, T., Yamamoto, M., Yanai, T., Masegi, T., Inada, K., Nakanishi, H., Tatematsu, M.: "Summation of initiation activities of low doses of the non-hepatocarcinogen 1,2-dimethylhydrazine in the liver after carbon tetrachloride administration"Cancer Letters. 148(1). 59-63 (2000)

    • 関連する報告書
      2001 実績報告書
  • [文献書誌] Sakai, H., Tsukamoto, T., Yamamoto, M., Shirai, N., Iidaka, T., Yanai, T., Masegi, T., Tatematsu, M.: "Differential effects of partial hepatectomy and carbon tetrachloride administration on induction of liver cell foci in a model for detection of initiation activity"Japanese Journal of Cancer Research. 92(10). 1018-1025 (2001)

    • 関連する報告書
      2001 実績報告書
  • [文献書誌] Sakai, H., Tsukamoto, T., Yamamoto, M., Hirata, A., Inagami, A., Shirai, N., Iidaka, T., Yanai, T., Masegi, T., Tatematsu, M.: "Summation of initiation activities in the liver after partial hepatectomy"Cancer Letters. 176(1). 1-5 (2002)

    • 関連する報告書
      2001 実績報告書
  • [文献書誌] Sakai Hiroki, Inagami Atsushi, Hirata Akihiro, Tsukamoto Tetsuya, Kobayashi Kiyoshi, Degawa Masakuni, Shirai Norimitsu, Iidaka Takeshi, Yanai Tokuma, Masegi Toshiaki, Tatematsu Masae: "The effects of D-galactosamine- or carbon tetrachloride-induced regeneration on induction of rat liver cell foci in a model for detection of initiation activities of chemicals"Journal of Toxicologic Pathology. (印刷中).

    • 関連する報告書
      2001 実績報告書
  • [文献書誌] Sakai Hiroki, Tsukamoto Tetsuya, Yamamoto Masami, Kobayashi Kiyoshi, Yuasa Hirofumi, Imai Toshio, Yanai Tokuma, Masegi Toshiaki, Tatematsu Masae: "Distinction of carcinogens from mutagens by induction of liver cell foci in a model for detection of initiation activity"Cancer Letters. (印刷中).

    • 関連する報告書
      2001 実績報告書
  • [文献書誌] 酒井洋樹: "肝部分切除(PH)にるイニシエーション活性検索性におけるイニシエーションの成立と肝P450の動態および細胞増殖動態との関係"第130日本獣医学会学術集会講演要旨集. 130. 242 (2000)

    • 関連する報告書
      2000 実績報告書
  • [文献書誌] 酒井洋樹: "イニシエーション活性検索法におけるイニシエーション活性の加算効果"第130日本獣医学会学術集会講演要旨集. 130. 242 (2000)

    • 関連する報告書
      2000 実績報告書
  • [文献書誌] 酒井洋樹: "四塩化炭素(CT)を細胞増殖刺激に用いたイニシエーション活性検索法におけるイニシエーションの成立と肝P450の動態および細胞増殖動態との関係"第130日本獣医学会学術集会講演要旨集. 130. 242 (2000)

    • 関連する報告書
      2000 実績報告書
  • [文献書誌] 酒井洋樹: "イニシエーション活性検索法における標的臓器の異なる化学物質間のイニシエーション活性の加算効果の検討"第17日本毒性病理学学会講演要旨集. 17. 54 (2001)

    • 関連する報告書
      2000 実績報告書

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公開日: 2000-04-01   更新日: 2016-04-21  

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