研究課題/領域番号 |
12760214
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用獣医学
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
三角 一浩 鹿児島大学, 農学部, 助教授 (10291551)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2001年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2000年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 関節炎 / 軟骨 / マーカー / COMP / 馬 |
研究概要 |
平成12-13年に、本研究では関節軟骨および滑膜内の細胞外マトリックスの構成成分の1つであるcartilage oligomeric matrix protein(COMP)の動物における関節疾患早期診断マーカーとしての可能性について検討してきた。平成13年度には、抗ヒト軟骨COMP抗体(17C10)を用いて、イヌのosteoarthritis(OA)に伴う滑液および血清中COMPの変化を検討した。そのために、犬の滑液と血清におけるCOMPを測定し、OA犬と正常犬とを比較した。また尿酸の関節内注入により実験的に作成した一過性の滑膜炎におけるCOMPレベルの変化についても評価した。 【材料および方法】 関節病変のない犬の血清(64例)と滑液(36例)を対象とした。X線的に変形性関節症所見が確認された症例、もしくはX線的な異常はないものの関節の腫脹や滑液の増量といった症状の見られた非感染性関節炎例より、血清(21例)と滑液(9例)を採取した。実験的滑膜炎モデル(6頭)では、左右の膝関節にそれぞれsodium urateと生理食塩液を注入した。注入前と、注入後1、2、3、7日目に両側の滑液と血清を採取した。COMP濃度は、イヌ関節軟骨より精製したCOMPとヒト軟骨由来COMPに対するマウスモノクローナル抗体(17C10)によるInhibition ELISAにて測定した。 【結果】 正常犬の滑液、血清中COMPはそれぞれ298.7±124.7、31.4±14.8μg/mlであった。OA犬の関節液(431.6±68.8μg/ml)および血清中COMPレベル(45.76±18.3μg/ml)は、正常犬群と比較して有意に高い値を示した。実験的滑膜炎では滑液および血清中のCOMPは有意に上昇した。滑液のCOMPレベルが尿酸塩注入後1および2日目にピークに達するのに対し、血清のCOMPレベルピークは3日目であった。 【結論】 滑液および血清中COMP濃度は、自然発生性のOAに伴う関節破壊および実験的に誘発した滑腺炎に引き続いて増加することが明らかとなった。COMPはイヌのOAの識別に役立つマーカーとなりうるものと考えられた。
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