研究課題/領域番号 |
12760217
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用獣医学
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
角田 勤 北里大学, 獣医畜産学部, 助手 (80317057)
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研究分担者 |
高井 伸二 北里大学, 獣医畜産学部, 助教授 (80137900)
椿 志郎 北里大学, 獣医畜産学部, 教授 (70050507)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
2001年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2000年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | ロドコッカス・エクイ / 液性免疫応答 / 病原性プラスミド / 二次元電気泳動法 |
研究概要 |
ロドコッカス・エクイの病原性にプラスミドが関与していることが知られている。この病原性プラスミド上にはVap(virulence associated protein)遺伝子群が存在しており、前年度の結果から少なくともVapA, VapCおよびVapDはin vivoで発現し、宿主により認識されていることが示唆された。本年度は、VapAならびにVapDのワクチン標的分子としての可能性を検討する目的で以下の実験を行った。 【マウスを用いた実験系】VapAのB細胞エピトープ、T細胞エピトープのそれぞれ、あるいは双方を含む合成ペプチド(ハイブリッドペプチド)、および組み換えVapDにてマウスを免疫し、抗体応答測定と感染防御試験を行った。B細胞エピトープを含むペプチド、ハイブリッドペプチドで最終免疫後にIgGlとIgMの上昇が確認された。ロドコッカス・エクイ強毒株の攻撃感染を行ったところ、脾臓と肺の菌数に減少傾向が見られたが、対照群と比べて有為な差はなかった。組み換えVapD免疫マウスにおいてもIgGlとIgMの上昇が確認されたが、免疫マウスは強毒株による攻撃感染に対して防御されなかった。 【ウマを用いた実験系】ロドコッカス・エクイの自然宿主であるウマを用いて上述のマウスと同様免疫をおこない、それぞれの抗原に対する抗体応答を調べた。ハイブリッドペプチド免疫馬では、IgGbが上昇し、続いてIgGaが上昇した。組み換えVapD免疫馬では、IgGaとIgGbが同時期に上昇したが、IgGaの上昇がより顕著であった。 【総括】病原性プラスミド上にコードされているVap遺伝子群のうち、、VapA, VapC, VapDは宿主であるウマに特異的な液性免疫応答を惹起することが判明した。今回の実験では免疫マウスではVapAならびにVapDに対して液性免疫応答を誘導することができたが、有為な感染防御は見られなかった。その理由としてロドコッカス・エクイはマクロファージ内で増殖する細胞内寄生菌であることから、液性免疫よりも細胞性免疫が重要な役割を担っているものと考えられた。したがって今後はDNAワクチンなど細胞性免疫応答を惹起する免疫方法の検討が必要であると考えられた。
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