研究概要 |
本研究では,ニワトリgp130の塩基配列をもとに,リコビナントgp130を作成し,このリコンビナントgp130に対する抗体を作製,利用することにより,gp130のリガンドであるニワトリIL-6とLIFをクローニングすることにある.本年度は昨年度,作製に成功した抗gp130抗体を用いた免疫沈降法とIL-6およびLIFのクローニングを試み,以下の成果を得た. 1.作出した抗gp130抗体を用いて免疫沈降法をおこない,リコビナントgp130を特異的に単離できることを確認した. 2.ニワトリ由来細胞を用いて1.と同様に免疫沈降をおこない,天然型のgp130を沈降させたが同時に多数のタンパクが沈降することがわかった. 3.本研究過程で世界で初めてニワトリLIFのクローニングに成功した. 4.同時に,これまでニワトリでは未解析であった血小板由来増殖因子のクローニングにも成功した. 5.IL-6の断片クローニングに成功したが,ドイツのグループが先に全長を報告してしまった. 6.クローニングしたLIFおよびIL-6のリコンビナント体を作製し,ニワトリ細胞に対して生物活性を持つことを明らかにした. 現在,当初の目的通り,これらのリコンビナント体の有効活用系の構築を目指している.
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