研究課題/領域番号 |
12770031
|
研究種目 |
奨励研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
環境生理学(含体力医学・栄養生理学)
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
白木 琢磨 京都大学, 大学院・情報学研究科, 助手 (10311747)
|
研究期間 (年度) |
2000 – 2001
|
研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
|
配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2001年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2000年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
|
キーワード | 後根神経節 / cGMP / 受容体型グアニレートシクラーゼ / 熱ショックタンパク質90kDa / Fura2顕微測光法 / 免疫沈降法 / two-hybrid system / in situ hybridization / 温度受容ニューロン / 熱ショックタンパク質90 / 環状ヌクレオチド依存性カチオンチャンネル / 受容体型グアニレートシクラーゼB |
研究概要 |
光受容細胞、匂い受容細胞では、受容体型グアニレートシクラーゼ-cGMP系がシグナル伝達系として働いている。末梢感覚神経の細胞体が存在する後根神経節にはBタイプ受容体型グアニレートシクラーゼ(GC-B)、環状ヌクレオチド依存性カチオンチャンネル(CNG3)が発現していることから、末梢感覚神経においても同様のシグナル伝達系が存在することがわかった。本研究では温度刺激がこのシグナル伝達系を駆動するかを培養細胞における再構成系により検討した。 GC-Bを発現したCHO-K1細胞を生きたまま加温すると、GC-BのリガンドであるCNP依存性のcGMP合成能が低下したが、GC-Bのタンパク質としての酵素活性は加温により上昇した。これは細胞におけるGC-B活性にGC-B以外の因子が関与し、温度依存性の調節を行なっている事を示唆する。GC-Bの活性は熱ショックタンパク質90(HSP90)の阻害剤ゲルダナマイシンで抑制された。つまり、HSP90がGC-B活性を調節している細胞内因子である可能性が示唆された。HSP90の免疫組織化学によりHSP90が後根神経節の神経細胞に発現していることを確認し、免疫沈降法によりHSP90とGC-Bが複合体として存在する事を示した。HSP90とGC-Bの結合は加温やゲルダナマイシンにより解離することがわかった。また、酵母two-hybrid systemによりHSP90のN末端側にあるATP結合領域とGC-Bのカイネース相同領域が直接相互作用する事をみとめた。 これらの事から、GC-BはHSP90により調節を受けており、温度変化に対する細胞内cGMPシグナル伝達系を介在すると考えられる。
|