研究課題/領域番号 |
12770048
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
薬理学一般
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研究機関 | 大阪医科大学 |
研究代表者 |
高井 真司 大阪医科大学, 医学部, 助教授 (80288703)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2001年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2000年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | キマーゼ / 血管肥厚 / アンジオテンシン / バイパス / グラフト / キマーゼ阻害薬 / PTCA / バルーンカテーテル |
研究概要 |
本年度は、イヌグラフトモデルの作製を行い、薬物を用いてキマーゼとグラフト血管におけるキマーゼの産生するアンジオテンシンIIの血管肥厚における役割を明らかにした。モデルはイヌ頸静脈を頸動脈にバイパスグラフトすることにより作製し、グラフト作製後1、3、7、14、28日で血管を摘出し、グラフト後、7日で顕著な内膜肥厚が形成されることを確認した。グラフト後7日目より有意な内膜肥厚とキマーゼ活性の上昇、組織アンジオテンシンII濃度、アンジオテンシンIIの作用亢進により誘導される遺伝子発現(コラーゲンI、コラーゲンIII、フィブロネクチン)の増加が認められた。しかし、特異的キマーゼ阻害薬、Suc-Val-Pro-Phep(OPh)_2を用いて有意にグラフト血管の内膜肥厚をこれらの内膜肥厚、組織アンジオテンシンII濃度、遺伝子発現が何れも有意に抑制された。これらのことより、バイパスグラフト後の血管肥厚にはキマーゼ活性の上昇に伴う局所アンジオテンシンIIの亢進が重要な役割を果たしていることが示唆された(Circulation 104:1274-1279;2001)。また、経口可能なを用いてイヌのグラフト血管では有意にその内膜肥厚が抑制されることを報告した(Life Sci.69:1725-1732;2001)。また、最近PTCAの再狭窄のモデルである頚動脈バルーン傷害後の血管肥厚を経口可能なキマーゼ阻害薬で有意に抑制されることを報告した(第22回日本高血圧学会)。このことは、バイパスグラフト、PTCA後の血管肥厚に対し、キマーゼ阻害薬が有用であることを示すものであるとともにキマーゼが血管肥厚に重要な役割を果たしていることを示すものである。
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