研究概要 |
平成13年度は、まず3次元上での検討を行った。この際、連続切片を多数作製、そこからコンピューター支援下に立体構築を再構成する技法を用いるわけであるが、それら連続切片に通常のへマトキシリン・エオジン染色やエラスティカ・ゴールドナー変法染色とともに免疫染色ないしin situ hybridization を行った切片を用いる新たな方法論を確立した。この方法により、ウイルス抗原の分布が壊死・炎症反応や線維化領域により豊富に観察されることが visualization 可能となった。従って、二次元上での検討で得られた結果をサポートすることとなった。この立体的機能構築解析法とも名付けられる方法論には、さらなる発展が行われ、免疫染色の二重染色を用いた方法も試みられた。それにより、肝のみならず、他の臓器にも本方法が応用可能であった。肝炎ウイルスの分布をふくめたこれらの成果は Proceedings of the Japanese Society of Pathology, 91(1), pp272に掲載された。本年度はさらに二次元上の形態計測法の検討にあたって複雑系の解析方法の適用の検討も続行した。この方法論はコンピューター支援下にデジタル信号化した画像情報をfractal dimention を応用し組織の複雑性を解析するものであるが、今回の検討でほぼ完成された技法となった。この成果についてはウイルス分布の解析の適用前に食道癌に用いられたが、その結果はVirchows Archiv, 439, pp279, 2001に掲載された。
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