研究課題/領域番号 |
12770094
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
人体病理学
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研究機関 | 岩手医科大学 |
研究代表者 |
斉藤 立華 (潘 立華 / 藩 立華) 岩手医科大学, 医学部, 助手 (50316353)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2001年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2000年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | Connective tissue growth factor / Transforming growth factor β / Idiopathic pulmonary fibrosis / Immunohistochemistry / In situ hybridization |
研究概要 |
特発性間質性肺炎(Idiopathic Interstitial Pneumonia)IIPは慢性進行性で、時には急性増悪をきたす極めて予後不良な疾患である。IIPの成因や発病機序は複雑で、不明な点が多く残されている。有効な予防や治療方法を確立するために、まずIIPの発病過程における分子的なメカニズムを究明することが求められている。従来、IIPにおける肺線維化の増殖因子Transforming growth factor-β(TGF-β)との関与が指摘されてきたが、1991年、新しい増殖因子であるconnective tissue growth factor(CTGF)が報告され、IIPを進展させる役割が注目されている。 我々はヒト間質性肺疾患の剖検及び生検組織材料を用いて、CTGFについてmRNAと蛋白レベルでの発現を免疫組織化学、in situ hybridizationで検討してきた。生検材料より、RNAを抽出し、RT-PCRを行った。また、肺を構成する肺胞上皮細胞、線維芽細胞由来の培養細胞を用いて、RT-PCRを行い、mRNAの発現をみた。ヒト間質性肺疾患の組織の連続切片に対して、CTGF, CD68,α-SMAの抗体を用いて、免疫染色を行った結果では増殖したII型肺胞上皮、線維芽細胞にCTGFが証明され、同時にin situ hybridization及びRT-PCRの方法でも、CTGFmRNAの発現が証明された。これまでTGF-βが肺胞マクロファージ及びII型肺胞上皮細胞に発現し、間質性肺疾患重要な役割を担っていることが報告されてきたが、CTGFがII型肺胞上皮細胞に強い発現を示したことより、間質性肺疾患の病態形成やリモデリングにおいてII型肺胞上皮細胞が重要な役割を果たしていることが示唆された。 以上の研究結果は"Type II Alveolar Epithelial Cells and Interstitial Fibroblasts Express Connective Tissue Growth Factor in Idiopathic Pulmonary Fibrosis"のタイトルで、European Respiratory Journal 2001 ; 17 : 1220-1227に掲載された。
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