研究課題/領域番号 |
12770102
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
人体病理学
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研究機関 | 産業医科大学 |
研究代表者 |
久岡 正典 産業医科大学, 医学部, 助教授 (40218706)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2001年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2000年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 平滑筋腫瘍 / HMGI-C / 遺伝子解析 / RT-PCR |
研究概要 |
ヒト平滑筋腫瘍におけるHMGI-C遺伝子変異の臓器特異性や腫瘍組織型に対する特異性について検討するため、子宮および子宮外に発生した良悪性平滑筋腫瘍36例を対象としてHMGI-C遺伝子変異ならびに発現異常を調査した。腎被膜に発生した平滑筋腫2例の染色体分析では、そのいずれの例からもこの遺伝子の局在する12q13-15における染色体転座が検出された。Reverse-transcription-polymerase chain reaction(RT-PCR)によってHMGI-C遺伝子発現を検索したところ、子宮発生例の73%および子宮外に発生した腫瘍の57%に発現が認められた。なお遺伝子発現は平滑筋腫などの良性腫瘍(71%)のみでなく、平滑筋肉腫(58%)においても認められた。また3'rapid amplification of cDNA ends(3'-RACE)によって腫瘍組織のRNAより2種類の変異型遺伝子転写産物を見い出し、良性平滑筋腫瘍の24%、平滑筋肉腫の21%にそれらの転写産物の発現を認めた。さらにそれらの発現は子宮外に発生した腫瘍においても検出された。なおHMGI-C遺伝子の発現は胎児組織(脳、肝)においては認められたが、成人組織(脳、腎、肝、心、肺)においては認められず、変異型についてはこれらの胎児および成人組織のいずれからも検出されなかった。サザンブロット法による検索では、軟部組織発生の平滑筋肉腫の1例でHMGI-C遺伝子の再構成を認めた。以上の結果から、HMGI-C遺伝子変異ならびに発現異常はこれまで報告されている子宮平滑筋腫のみでなく、子宮外に発生した平滑筋腫瘍や平滑筋肉腫においても存在することが示され、HMGI-C遺伝子変異の臓器特異性や腫瘍組織型に対する特異性は認められないことが明かとなった。
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