研究課題/領域番号 |
12770113
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
実験病理学
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
路 霊敏 愛媛大, 医学部, 助手 (80304616)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2001年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2000年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | ループス腎炎 / 腎炎原性抗体 / IgG3 / 抗DNA抗体 / 感受性遺伝子座 / MRL / lprマウス / C3H / 膠原病 |
研究概要 |
従来、糸球体腎炎の発症機序における抗体分子の役割については、II型あるいはIII型アレルギーの概念の中で捉えられ、ループス腎炎における糸球体病変もその延長上で、特に抗dsDNA抗体を中心に、考えられているが、その責任抗体の実体や発現機序についてはなお不明な点が多い。MRL/lprマウスはループス腎炎に類似した糸球体病変を発症し、これらの問題を解析するに有用なモデルである。近年我々は、この発症が腎糸球体へのポリクローナルなIgG3の沈着をinitiationとすることを明らかにしたが、本研究では、MRL系マウスの糸球体腎炎感受性遺伝子とこのIgG3産生B細胞をポリクローナルに引き出す遺伝子との関連を明らかにすることを目的とした。そこで糸球体腎炎を発症しないC3H/lprマウスとの戻し交配系マウスMRL/lpr x(MRL/lpr x C3H/lpr)F1を対象に、1)病理形態形質である糸球体病変の感受性遺伝子座、2)脾臓でのIgG3 mRNA発現を規程する遺伝子座、3)血清中の抗dsDNA IgG抗体価を支配する遺伝子座、の解析を行った。その結果、明らかにし得た3個所の糸球体腎炎感受性遺伝子座のうち、第4染色体上のD4Mit147近傍に位置するAgnm2は、IgG3 mRNAの発現を規程する遺伝子座と一致することが明らかとなった。一方、抗dsDNA IgG抗体の感受性遺伝子座は、糸球体腎炎感受性遺伝子座のいずれとも一致をみなかった。従って、MRL/lprマウスの糸球体腎炎は、少なくともIgG3産生を規定する遺伝子に支配されていることが明らかとなった。このことは、病理形態形質を支配する遺伝子は特定の病態形質を支配する遺伝子を包含するといえる。
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