研究課題/領域番号 |
12770120
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
実験病理学
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研究機関 | 国立感染症研究所 |
研究代表者 |
片野 晴隆 国立感染症研究所, 感染病理部, 研究員 (70321867)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2001年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2000年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | ヒトヘルペスウイルス8(HHV-8) / カポジ肉腫 / 原発性体腔液性リンパ腫(PEL) / LANA / ELISA / 血清抗体 / 潜伏感染 / 増殖感染 / 多巣性キャッスルマン病(MCD) |
研究概要 |
1.ヒトヘルペスウイルス8型のコードする癌蛋白の同定とカポジ肉腫発症機構の解明 ヒトヘルペスウイルス8型がコードする蛋白のうちLatency-associated nuclear antigen(LANA)は潜伏感染時に発現し、染色体との結合性やp53,Rbなどの癌抑制蛋白と結合することが知られている。われわれはカポジ肉腫や原発性体腔液性リンパ腫の細胞株を用いて、この蛋白の感染細胞内における局在がp53の局在と一致することを明らかにした。これらの細胞ではp53も少なからず発現しており、LANAとp53の関連がin vivoにおいても証明された。また、HHV-8が潜伏感染を維持させる機構として、感染細胞内ではHHV-8の前初期蛋白であるORF50蛋白の発現が抑えられていること、初期蛋白であるK8蛋白が細胞の核内構造物であるND10に局在するものの、他のヘルペスウイルスと異なり、ND10に対して破壊などの作用を及ぼさず、増殖感染になりにくい機構があることを示唆するデータを得た。これらの知見はHHV-8の潜伏感染と腫瘍造性を考える上で重要な知見と考えられる。 2.ヒトヘルペスウイルス8型の血清疫学 前年度の研究でわれわれはヒトヘルペスウイルス8型に対する血清抗体検査系(ELISA)を開発し、日本人における血清抗体の陽性率を明らかにした。この系を用いて、我々は日本国内の各地域(沖縄、九州)、ガーナ、ルーマニア、中国新彊ウイグル地区などの血清を検索した。その結泉ガーナや新彊ウイグル地区では正常人においても約5割の感染率があることが判明した。これらのデータはこのウイルスの起源や各地域の保健衛生を考える上で有益なものと考えられる。
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