研究課題/領域番号 |
12770144
|
研究種目 |
奨励研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
細菌学(含真菌学)
|
研究機関 | 愛知医科大学 |
研究代表者 |
小出 直樹 愛知医科大学, 医学部, 助手 (50308962)
|
研究期間 (年度) |
2000 – 2001
|
研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
|
配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2001年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2000年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
|
キーワード | エンドトキシン / 尿細管壊死 / アポトーシス / DIC / 接着分子 / LPS / ELAM-1 / p38MAPK / マウス血管内皮細胞 / 内皮傷害 / Nitric Oxide |
研究概要 |
我々は、エンドトキシンを二度投与することで全身性血管内皮凝固(DIC)の実験モデルを確立した。この実験系では、全身臓器、特に肺、肝臓に血管内皮細胞傷害、腎臓には尿細管壊死を誘導できることを見出した。これらの細胞傷害がネクローシス、アポトーシスのどちらが関与しているかを検討した。さらに、サイトカインや接着分子の関与も調べた。まず、エンドトキシン誘発尿細管壊死がアポトーシスにより誘導されることを明らかにした。さらに、Fas分子やFasリガンドが尿細管細胞に発現されることを見出した。Fas、Fasリガンドの発現異常マウスでは、このような尿細管壊死が誘導されないことから尿細管壊死にFas、Fasリガンドの関与が強く示唆された。このFas、Fasリガンドの発現には、インターロイキン12、ガンマインターフェロン、腫瘍壊死因子が関与していることも明らかにした。エンドトキシンが各種サイトカインを誘導し、その結果尿細管細胞にFas、Fasリガンドが発現され、その相互作用により尿細管細胞がアポトーシスするものと考えられる。また、肺などの血管内皮細胞の傷害もアポトーシスによることも明らかにした。この血管内皮細胞のアポトーシスにも、サイトカインや接着分子の関与が示唆された。特に、抗E-selectin抗体をエンドトキシンと共に投与すると、出血を伴った激しい血管内皮傷害を導き、血管内皮傷害を著明に増悪させることを見出した。他臓器では、このような変化は見られず、肺傷害に特有な所見であった。エンドトキシンによる細胞傷害、臓器傷害はどれもアポトーシスが主として関与しているが、その機序はそれぞれ異なっていた。
|