我々はHHV-6BのU83についてウイルス感染細胞における発現動態と機能解析した結果、U83遺伝子産物はウイルス感染後期に発現し、単核球細胞系THP-1細胞にCa Fluxやchemotaxis作用を誘導することが明らかにした。この結果よりU83はHHV-6の病原性や感染機構に深く関与していることが示唆された。本研究はU83遺伝子について機能をさらに明らかにすることを目的とした。Yeast two-hybrid systemを利用しU83と相互作用する因子をスクリーニングしました。U83遺伝子をbaitとしたtwo-hybrid screeningの結果、yeastにおいて特異的にU83と相互作用する宿主細胞因子migration inhibitory related protein (MRP14)を同定した。U83とMRP14の相互作用はin vivo co-immunoprecipitation法にて確認された。MRP14機能について検討したところ、MRP14はJab1と特異的に相互作用すること、Jab1によってAP-1 activationを抑制することが明らかとなった。また、MRP14によりAP-1 activationの抑制はU83遺伝子によってblockすることが明らかとなった。さらにU83の解析を進め、HHV-6の潜伏するヒトマクロファージにU83の発現を同定した。これらの結果よりU83はHHV-6の潜伏感染及び感染機構に深く関与していることが示唆された。この研究成果は現在、投稿中である。生物個体レベルで、U83はHHV-6が示す病態の影響についてU83トランスジエニックマウスの作成は現在進行中である。
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