研究課題/領域番号 |
12770155
|
研究種目 |
奨励研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
ウイルス学
|
研究機関 | 大阪大学 (2001) 神戸大学 (2000) |
研究代表者 |
岡 清正 大阪大学, 微生物病研究所, 助手 (70314474)
|
研究期間 (年度) |
2000 – 2001
|
研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
|
配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2001年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2000年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
|
キーワード | C型肝炎ウイルス / コア蛋白質 / p21 Wafl / Cipl / Sdil / PCNA / 分解促進 / 細胞内局在 / p21 Waf1 / Cip1 / Sdi1 |
研究概要 |
我々は、C型肝炎ウイルスコア蛋白質がCDKインヒビターであるp21(Wafl)と結合すること、両者を細胞に共発現させるとp21の発現量が著しく抑制されることを見い出した。さらに、コア蛋白質によるp21の発現抑制には、p21の安定性に関わるサイクリン/CDK、PCNAは関与していないことを明らかにしてきた。 本研究では、p21に対するコア蛋白質の作用機構について解析を行った。まず、両者の特異性について検討するため、コア蛋白質以外のC型肝炎ウイルス蛋白質とp21とを細胞に共発現させた。調べた限り(NS3、NS4A、NS4B、NS5A、NS5B)では、他のウイルス蛋白質が存在してもp21の発現量に変化は認められなかった。また逆に、p21以外の細胞蛋白質(2'-5'-オリゴアデニル酸合成酵素、RNA分解酵素L)の発現には、コア蛋白質は影響を与えなかった。よって、コア蛋白質の作用はp21に特異的であることが示唆された。次に、P21の発現抑制がどの段階で起こっているのかを調べるためノーザンブロッティングを行った。その結果、コア蛋白質の有無でp21mRNA量に差は認められなかった。これより。コア蛋白質は転写後のp21に作用することが明らかになった。 また、このコア蛋白質の作用にはそのC末端領域(174から191アミノ酸)が必要であることを明らかにしてきた。そこで様々な大きさのC末端欠失コア蛋白質変異体を作製し、p21と共に細胞に発現させた。その結果、p21の発現に影響を与えない変異体は、野生型のコア蛋白質が細胞質に局在するのに対して、全て核内にその局在が認められた。この核内に局在する変異体(150アミノ酸)にC末端領域を結合させた変異体では細胞質にも局在するようになり、p21の発現抑制も弱いながら認められるようになった。以上より、コア蛋白質は細胞質内で転写後のp21の発現を抑制していることが明らかになった。
|