研究課題/領域番号 |
12770156
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
ウイルス学
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
藤田 恒憲 神戸大, 医学部, 助手 (00314477)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2001年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2000年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | C型肝炎ウイルス / 非構造蛋白質NS3 / コア蛋白 / 癌抑制遺伝子p53 / 細胞形質転換 / MAPキナーゼ |
研究概要 |
我々はC型肝炎ウイルス(HCV)非構造蛋白質NS3と癌抑制遺伝子p53蛋白の細胞内での結合には、NS3のアミノ末端側(a.a1055-1200)が必要と報告してきたが、GSTp53を用いたin vitroでの結合実験では、NS3の中央部分(a.a1201-1459)がp53との結合に重要であった。NS3がp53転写活性に与える影響については、p21プロモーターを用いたCATアッセイにて解析中であり、HCVコア蛋白とp53の結合も報告されていることから、NS3とコアの共発現によるp53転写活性への影響についても同様に解析中である。さらに、NS3がp53依存性アポトーシスに与える影響については、p53欠損細胞株SaOS2を用いて温度感受性p53変異体を発現する細胞株を作成し、そこにNS3を発現させ、p53依存性アポトーシスに対する影響をFACScanにて解析する予定である。 また、NS3単独あるいはRasとコアの共発現による細胞形質転換の報告があることから、NS3とコアの共発現による細胞形質転換能について、NIH3T3細胞にて解析を行ったが、各蛋白単独及び両蛋白の発現による明らかな細胞形質転換は認められなかった。現在、ラット胎児線維芽細胞に変更して、同様の実験を実施中である。同時に、コアは癌化への関与を示唆する報告が多くあり、癌化機構についてMAPキナーゼカスケードの関与が考えられていることから、NIH3T3細胞を用いてコア発現細胞株とコントロール細胞株を作成し、血清除去やシスプラチン等の薬剤処理によるERK、JNK、p38の活性化について、ウエスタンブロット法により比較検討した。しかし、両細胞間で各MAPキナーゼの活性化に明らかな差は認められなかった。そこで、コア発現細胞株およびコントロール細胞株に活性型Rasを導入し、形質転換した細胞株を用いて血清除去によるアポトーシス誘導の程度を比較したところ、活性型Ras導入コントロール細胞株は抵抗性を獲得したのに対し、コア発現細胞株は活性型Ras導入によっても抵抗性は認められなかった。現在、この現象のメカニズムをRasを介したMAPキナーゼカスケードにおいて解析中である。
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