研究課題/領域番号 |
12770161
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
ウイルス学
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研究機関 | 理化学研究所 |
研究代表者 |
蒲田 政和 理化学研究所, 分子細胞生物学研究室, 協力研究員 (00291063)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2001年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2000年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | HIV-1 / Vpr / NLS / Inportin a / A helix / 核移行 / FGリピート / α-Helix / importin α |
研究概要 |
HIV-1の非分裂細胞への感染にはpreintegration complexの核移行が必須であるが、これにはVprが特に重要であると考えられている。Vprの核移行に関するこれまでの解析から、1)Vprの2つのα-helical domain(aH1、aH2)の内、aH2が核膜へのtargetingに、aH1が核膜から核内への移行に寄与する、2)aH2はImportin (Imp)a及びBと直接結合する、3)aH1はImpaと間接的に結合する、4)Vprの核移行はImp a或いはエネルギーにより促進されることが明らかになっている。本年度は核移行関連分子としてImp a及びPhe-Gly(FG)リピートを有するnucleoporinの一つp62に着目し、Vprの核移行におけるこれらの分子との相互作用の意義を解析した。 核移行の解析はDigitonin処理HeLa細胞を用いたNuclear import assayで行った。Imp a、Imp B及びp62を何れもGSTを持つ融合蛋白として大腸菌に発現させた。VprのaH1、aH2、17-74位(N17C74)及びそれらの点変異体を、GST及びGFPを有する融合蛋白として調製した。 Nuclear import assayにおいて、Vprの核膜結合はImp a或いはB存在下で影響されないが、p62の添加により著しく減弱した。更に、核膜結合能を消失したaH2の点変異体L67PではImp a及びBとの直接結合に影響は見られないことから、核膜結合におけるImp a及びBの関与は低いことが予想された。またVprの核移行は1mp a或いはエネルギー依存的に上昇するが、これはp62存在下では低下し、更にL67P変異体及びImp aとの間接結合能を消失したaLA変異体において消失することから、Vprと核移行関連分子との結合の重要性が示唆された。 以上の結果より、VprはFGリピートを有するnucleoporinを介して核膜と結合すること、更に、nucleoporinとの結合及びaH1を介したImp aとの間接的な結合の何れもがその核移行には必須であることが示された。
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