研究概要 |
平成12年2月15日から8月14日までの6ヶ月間に横浜市内の某眼科クリニックを眼鏡またはコンタクトレンズの処方目的で受診した受診時6歳から99歳の男女計34,385名(6歳から96歳男性15,758名、6歳から99歳女性18,627名)の診療禄を調査し、高眼圧症および開放隅角緑内障の有病率を算定し、加齢と正常眼圧緑内障有病率の関係、眼の屈折度数と開放隅角緑内障有病率の関係を明らかにした。高眼圧症および開放隅角緑内障の有病率は24歳以下でそれぞれ1.96%、0.45%、35-44歳でそれぞれ1.60%、1.31%、55-64歳でそれぞれ1.11%、2.87%、74歳以上でそれぞれ0.74%、7.02%であり、高眼圧症の有病率は加齢とともに徐々に減少傾向を示すこと、開放隅角緑内障の有病率は加齢とともに増加傾向を示し、特に中年以降では急激に増加することが明らかとなった。一方、開放隅角緑内障に占める正常眼圧緑内障の割合は、24歳以下では62.0%、35-44歳では67.2%、55-64歳では75.5%、74歳以上では81.7%と、開放隅角緑内障に占める正常眼圧緑内障の割合は加齢とともに増加傾向を示すことが明らかになった。また、無水晶体眼を除くすべての対象眼について、眼の屈折度数(D : Diopter)と開放隅角緑内障有病率の関係をMantel-Haenszel法により年齢で調整した層別化分析を行った結果、全体としては男女ともに近視の度数の強さと開放隅角緑内障有病率は正の関連を示した(男女ともにp<0.001)。
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