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消化器癌治療におけるp53依存的プロテインホスファターゼWiplの機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 12770266
研究種目

奨励研究(A)

配分区分補助金
研究分野 消化器内科学
研究機関東京大学

研究代表者

武川 睦寛  東京大学, 医科学研究所, 助手 (30322332)

研究期間 (年度) 2000 – 2001
研究課題ステータス 完了 (2001年度)
配分額 *注記
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
2001年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2000年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
キーワード蛋白質脱リン酸化酵素 / p53 / アポトーシス
研究概要

放射線や紫外線、抗癌剤等でDNA損傷を受けた細胞ではp38MAPKおよび癌抑制遺伝子p53が活性化され、共同してアポトーシスが誘導される。p38やp53の活性化にはこれらの蛋白質のリン酸化が必要であるが、最近p38がp53を直接リン酸化して活性化し、アポトーシス誘導に寄与することが報告された。一方、細胞がDNA損傷から回復する際には、これらの分子は脱リン酸化により不活性化されると考えられるが、その分子機構は不明である。
Wip1はDNA損傷後にp53依存的に発現誘導されるSer/Thr脱リン酸化酵素として同定されたがその機能は明らかにされていない。我々はp38-p53経路の脱リン酸化による活性抑制機構にWip1が関与する可能性を想定し研究を行った。
始めに細胞にDNA損傷を含むストレス刺激を加えた際のWiP1の発現をノザンブロットにより解析したところ、様々なストレス刺激に応答してWip1遺伝子の強い発現誘導が起こることを見出した。さらに紫外線によるWip1の発現誘導にはp53およびp38両方の活性化が必要であることが確認された。またWiP1は核内で活性化されたP38と特異的に結合し、Thr残基を脱リン酸化することでp38を不活性化することを見出した。
次にWip1がp53のリン酸化および活性化に与える影響を検討したところ、Wip1の発現によりp53のSer33のリン酸化が間接的に抑制され、さらにWip1の強制発現は然外線によるp53の転写活性化およびアポトーシス誘導を抑制した。これらの結果から、紫外線照射によりp38を介してP53が活性化されるとWip1が発現誘導され、p38を脱リン酸化して不活性化するというネガティブフィードバック機構の存在が明らかになった。
またWip1に特異的に結合する蛋白質の同定を行い、Chk2キナーゼなどの複数の分子を同定した。

報告書

(2件)
  • 2001 実績報告書
  • 2000 実績報告書
  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] Takaharu Shonai: "MEK/ERK pathway protects ionizing radiation-induced loss of mitochondrial membrane potential and cell death in lymphocytic leukemia cells"Cell Death and Differentiation. (in press). (2002)

    • 関連する報告書
      2001 実績報告書
  • [文献書誌] 武川睦寛: "プロテインホスファターゼによるp53の生理機能の制御"実験医学増刊. 19・9. 38-43 (2001)

    • 関連する報告書
      2001 実績報告書
  • [文献書誌] Mutsuhiro Takekawa: "p53-inducible Wip1 phosphatase mediates a negative feedback regulation of p-38 MAPK-p53 signaling in response to UV radiation."The EMBO Journal. 19・23. 6517-6526 (2000)

    • 関連する報告書
      2000 実績報告書
  • [文献書誌] Yumiko Koyama: "Histone deacetylase inhibitors suppress IL-2-mediated gene expression prior to induction of apoptosis."Blood. 96・4. 1490-1495 (2000)

    • 関連する報告書
      2000 実績報告書
  • [文献書誌] 佐々木茂: "癌の抗体療法"Biotherapy. 14・5. 490-492 (2000)

    • 関連する報告書
      2000 実績報告書
  • [文献書誌] 佐々木茂: "新しい免疫の啓蟄-外科学とのかかわり-癌の抗体療法"日本外科学会雑誌. 101・9. 607-611 (2000)

    • 関連する報告書
      2000 実績報告書
  • [文献書誌] 武川睦寛: "細胞内シグナル伝達がわかる-イラスト医学&サイエンスシリーズーMAPKスーパーファミリーのシグナル伝達における役割"葛西文明. 117 (2000)

    • 関連する報告書
      2000 実績報告書

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公開日: 2000-04-01   更新日: 2016-04-21  

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