研究概要 |
平成12年度にPCR-SSCP法によるスクリーニングと直接塩基配列決定法によりCCR3遺伝子について2つのミスセンス変異と一つのサイレント変異を見いだし、さらに英国白人においてCCR3遺伝子内のサイレント変異が喘息と関連すること、その関連はアトピーと独立であることをロジスティック解析等により明らかにした。 このことから平成13年度はCCR3遺伝子の近傍に喘息の候補遺伝子が存在する可能性を考え、その候補としてCCR3遺伝子とクラスターを形成しTh1リンパ球特異的に発現するCCR5遺伝子について検討を行った。CCR5遺伝子についてはすでにミスセンス変異(CCR5 Δ32)の存在が明らかにされており、またこの遺伝子変異はHallら^<1)>が白人で検討した結果、喘息との関連を示唆すると報告している。そこで我々は日本人においてこの遺伝子変異と喘息との関連解析をおこなうと同時に、CCR3遺伝子のサイレント変異との連鎖不均衡について、日本人391名(喘息患者210名)と英国白人234名(喘息患者142名)においてハプロタイプ解析をおこなった。しかし、日本人において喘息との関連は認められず、また二つの遺伝子変異の連鎖不均衡は両人種間で認めなかった。 1)Hall IP, Wheatley A, Christie G, McDougall C, Hubbard R, Helms PJ, Lancet 1999;354:1264-5
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