研究概要 |
1,多発性硬化症・慢性炎症性脱磁性多発根神経炎・ギランバレー症候群患者の免疫グロブリン重鎖及び軽鎖遺伝子のcDNAライブラリーを作成した。また、自己免疫性末梢神経疾患の動物モデルとして実験的アレルギー性神経炎(EAN)の免疫グロブリン重鎖及び軽鎖遺伝子cDNAライブラリーも作成した。 2.それぞれのcDNAライブラリーからファージに提示された一本鎖抗体(scFv)ライブラリーを構築し,まず糖脂質を抗原としてスクリーニングを行った。GM1, GA1等のガングリオシド及び硫酸基付加糖脂質に対する複数のクローンを得た。さらにそれぞれの抗原に対する自己抗体を分離精製し、イディオタイプのクローンも得た。 3,動物モデルでの解析を行う前に前記ガングリオシド及び糖脂質の抗原エピトープを解析し、抗原決定基と考えられる親水性部分(シアル醸含有部分)にはマウス・ラット・ヒトで種差がないことを確認した。さらに上記イディオタイプに対する抗イディオタイプ抗体を作成し、これを用いたEANに対する治療効果についての解析は開始したばかりであるが、in vitroの実験系ではでは中和抗体作用を認めた。 4、さらに上記で得られたガングリオシドに対するイディオタイプクローン及びこれに対する抗イディオタイプクローンの抗原決定基(CDR)を明らかにするために、スクリーニングで得られた陽性ファージのCDRペプチドシークエンスを解析中である。
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