研究概要 |
心筋梗塞後のリモデリングに及ぼす細胞外マトリックス制御因子の効果を検討する目的でラット実験的心筋梗塞モデルでのオステオポンチン(OPN)、CTGF遺伝子の制御を試みた。まず、梗塞作成後の動物で末梢静脈からFITC labeled OPN anti-sense Oligo DNAを投与し梗塞部への取り込み効率を、経静脈的に投与し投与時期(梗塞作成直後、1,3,5日目)を変えて投与し、梗塞後7日目に心臓を摘出し検討した。結果はpositive controlとして用いた腎での取り込み効率は20〜30%と高値であったにもかかわらず、心臓(梗塞部、非梗塞部ともに)では1%以下と著明に低かった。次にnaked plasmid (pBlue script)を開胸下、梗塞部へ直接刺入しその取り込み効率をX-gal染色を用いて検討した。Plasmidは再開胸のリスクを考え梗塞作成2時間後に27G針で投与した。投与後閉胸し、1,3,5日目に心臓を抽出しX-gal染色を行った。その結果、3,5日目に刺入部周囲の2〜5%の細胞に染色がみられたため、同様の方法を用いてOPN antisenseおよびCTGF antisenseを組み込んだplasmidを刺入し、1)それぞれの遺伝子の発現への効果をNorthern blotで検討し、2)remodelingに及ぼす効果を圧容量相関を測定しcontrol plasmid群と比較した。結果、1)では梗塞部全体では有意の遺伝子発現抑制効果が見られなかった(OPN, CTGFとも) 2)でも3群間で有意のリモデリング抑制効果は認められなかった。
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