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新規の血管病原因因子としてのスフィンゴ脂質の役割

研究課題

研究課題/領域番号 12770343
研究種目

奨励研究(A)

配分区分補助金
研究分野 循環器内科学
研究機関山口大学

研究代表者

池田 奈津子 (轟 奈津子)  山口大, 医学部, 助手 (90253153)

研究期間 (年度) 2000 – 2001
研究課題ステータス 完了 (2001年度)
配分額 *注記
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2001年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2000年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
キーワードスフィンゴ脂質 / 血管平滑筋 / 収縮 / カルシウム感受性 / Y27632
研究概要

スフィンゴ脂質の一つであるスフィンゴシルホスホリルコリン(SPC)が血管平滑筋収縮に与える効果を調べるために、細胞質Ca^<2+>濃度([Ca^<2+>]_i)と張力の同時測定及びスキンド法を用いた実験を行った。
SPCは、ブタ冠動脈平滑筋において、濃度依存性(1-50μM)に収縮を引き起こすと共に[Ca^<2+>]_iをわずかに増加させ、張力/[Ca^<2+>]_i比を著しく増加させた。この結果から、SPCによって血管平滑筋収縮のCa^<2+>感受性が増加することが示された。
α-トキシンを用いてスキンド処理した血管条片(1kDa以下の分子が細胞膜を通過する)において、SPCは、[Ca^<2+>]_i一定条件下(pCa6.3)およびGTP非存在下で収縮を引き起こした。この収縮は、Ca^<2+>感受性が増加したことを示す。これに対し、G-蛋白とカップルした受容体のアゴニストであるヒスタミンは、収縮を引き起こすためにGTPの存在が必要であった。したがって、SPCによるCa^<2+>感受性増加には、G蛋白に依存しない経路が関与していると思われた。Rho-kinaseのブロッカーであるY27632(10μM)は、Ca^<2+>にょって引き起こされる収縮に影響を与えずに、SPCによるCa^<2+>感受性増加を完全に抑制した。β-エスシンを用いてスキンド処理した血管条片(150kDa以下の分子が細胞膜を通過するので、l50kDa以上であるRho-kinaseは細胞内に保持される)においてもα-トキシン処理筋と同様の結果が得られた。トライトンX-100でスキンド処理した血管条片(Rho-kinaseが細胞外へ漏出する)においては、SPCによるCa^<2+>感受性増加はみられなかった。
これらの結果から、SPCは、おそらくRho-kinaseを介して、血管平滑筋収縮のCa^<2+>感受性を増加させるものと考えられた。

報告書

(1件)
  • 2000 実績報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Natsuko Todoroki-Ikeda: "Sphingosylphosphorylcholine induces Ca^<2+>-sensitization of vascular smooth muscle contraction : possible involvement of Rho-kinase"FEBS Letters. 482・1,2. 85-90 (2000)

    • 関連する報告書
      2000 実績報告書
  • [文献書誌] 轟・池田奈津子: "スキンド法よる血管の細胞内シグナル伝達の評価法"山口医学. 49. 449-451 (2000)

    • 関連する報告書
      2000 実績報告書

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公開日: 2000-04-01   更新日: 2016-04-21  

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