研究課題/領域番号 |
12770366
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
循環器内科学
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
岡 直樹 久留米大学, 医学部, 助手 (00299421)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2001年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2000年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | カベオリン-3 / 心筋細胞 / エンドセリン-1 / フェニレフリン / アデノウイルス / Gq |
研究概要 |
昨年度までの検討で、心筋細胞に野生型カベオリン-3を過剰発現させるとGq依存性アゴニストによる肥大反応が抑制されることと、その抑制にERK1/2が関与することを解明してきた。今年度は、肢帯型筋ジストロフィー症の原因遺伝子であるカベオリン-3の欠損変異をdominant negative変異として用いることにより、カベオリン-3の機能解析を行った。ラット新生児培養心筋細胞に、既に作成済みの野生型カベオリン-3と、この変異カベオリン-3を発現する組換えアデノウイルスを感染させ、肥大反応に対する影響の差異を検討した。まず両組換え蛋白の細胞内分布を検討したところ、野生型カベオリン-3は細胞膜および細胞質内に点状に分布するのに対し、変異カベオリン-3は核周囲に分布していた。肥大反応への影響の検討では、野生型カベオリン-3が肥大反応を抑制するのに対し、変異カベオリン-3には抑制作用がみられず、むしろ亢進させた。ERK1/2のリン酸化反応を検討したところ、野生型カベオリン-3ではリン酸化の抑制がみられたが、変異カベオリン-3ではERK1/2のhyperactivationがみられた。同時に検討したJNK, p38 MAP kinaseのリン酸化は、Gqアゴニストにより亢進したが、野生型、変異カベオリン-3とも影響を与えなかった。これらの結果から、カベオリン-3は内因性の肥大抑制因子であり、その変異により肥大が亢進する可能性が示唆された。今年度の日本循環器学会総会で、カベオリン-3の変異が肥大型心筋症の原因であることが報告される予定であり、我々の結果は肥大形成におけるカベオリン-3の役割を考える上で興味深いと考えられる。
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