研究課題/領域番号 |
12770406
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
小児科学
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
竹宮 孝子 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (70297547)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2001年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2000年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 痙攣発作 / EP3 / プロスタグランジンE2 / 急性キンドリング / 発作後抑制 / SSRI / PGES mRNA / COX2 mRNA / 血管内皮細胞 / プロスタグランジン |
研究概要 |
本研究は、脳内プロスタグランジンE2(PGE2)が痙攣発作に及ぼす作用の解明を目的としている。本年度は、PGE2のレセプターであり脳内海馬に最も多く分布する、EP3の遺伝子欠損マウス群(EP3[-/-])8匹と野生型マウス群(EP3[+/+])7匹を用いて、てんかん発作の進展過程について両群を比較した。初回発作の誘発閾値、急性キンドリングのいずれも脳内海馬貫通路に埋め込んだ慢性電極から20Hz10秒間のテタヌス刺激を40秒間隔で与え、海馬歯状回において発作脳波を記録し、脳波上の発作について検討を行った。初回発作の誘発閾値はEP3[-/-]が30±8.2(SE)μAに対し、EP3[+/+]が32.9±13.6μAであり、その刺激強度での発作持続時間はEP3[-/-]が6.6±1.2秒に対し、EP3[+/+]が8.3±2.1秒であり、いずれも両群に有意差は認められなかった。しかし、1回目の刺激後の抑制回復過程において刺激を繰り返し、発作を誘発することになる急性キンドリングでは、EP3[+/+]では刺激による発作誘発率は速やかに上昇するのに対し、EP3[-/-]では1回目の刺激直後の発作誘発率はEP3[+/+]同様上昇するにもかかわらず、20分から30分後にかけて発作誘発率の減少があった(EP3[+/+]は75.7〜91.4%の誘発率に対し、EP3[-/-]は37.5〜41.3%の誘発率)。また、最終的に発作が連続して誘発されるまでに要した刺激回数は、EP3[+/+]が137±23.6回に対し、EP3[-/-]は204.4±19.3回と有意に延長した。これらの結果から、EP3[-/-]はEP3[+/+]に比べ、発作後抑制が強く、連続発作が誘発されるまでに時間を要することがわかった。以上よりEP3レセプターを介したPGE2は発作後抑制を弱め、連続発作誘発に促進的に働くことが示唆された。
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