研究概要 |
本研究の最終的な目的は胎児心疾患の診断としての、3D心エコー法の臨床的な使用を確立していくことであった。しかし、同時期に関連する研究は実績を上げることができたが、実際に3Dエコーによる胎児の心室容量の計測はいまだ確立できず、実績を上げることができなかった。3Dエコーの機種としてVoluson530D、メディソンジャパンおよびEcho-Tec, USAを使用したが、画像の処理がデジタル化できず、アナログ情報で処理するための画像の解像度の低下が強く、胎児の心臓の容量でin vivoでは計測が出来なかった。さらにEcho-Tecで従来考えていた心周期の同期の方法では正確な心周期の分離が出来ず、心室容量の計測が不可能であった。これについては、今後の胎児心拍の同期が可能な器具、方法についての開発に集中して、引き続き研究が必要である。 このように最終目標の課題については実績を上げられなかったが、本研究期間中、本研究課題に直接的あるいは間接的に関連する研究としては、種々の実績を上げることができた。胎児心臓において、胎生期の心形態の発育に関しては断層心エコーでの経時的形態変化を特殊な心疾患について検討し、学会、論文発表を行った。一方、他施設との共同研究では、3次元心エコー法を用いて胎児心臓に相当する小さな容量でのin vivoのvalidationをブタ新生児で行うことができた。
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