研究課題/領域番号 |
12770421
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
皮膚科学
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
岡田 理 秋田大学, 医学部, 講師 (40241658)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2001年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2000年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 皮膚 / 角化異常性疾患 / ダリエー病 / Caポンプ / 遺伝子ノックアウト |
研究概要 |
皮膚の角化異常性疾患は遺伝性角化症と非遺伝性角化症に大別される。遺伝性角化症に属する疾患としては、遺伝性魚鱗癬、ダリエー病、掌蹠角化症、汗孔角化症など多数の疾患があるが、この中で現在遺伝子レベルでの異常が解明されているのは、水庖型先天性魚鱗癬様紅皮症、伴性遺伝性尋常性魚鱗癬、葉状魚鱗癬、一部の掌蹠角化症、シェグレンラルソン症候群、先天性爪甲肥厚症、ダリエー病などごく一部である。他の遺伝性角化異常症においては、遺伝子レベルでの異常は全く解っていない。なかでもダリエー病は常染色体優性の遺伝形式をとる角化異常症で黄褐色調を呈する湿潤性角化性丘疹が、胸、背中、顔面、鼠径部など主に脂漏部位に多発する疾患である。口腔粘膜や舌を侵すこともあり、掌蹠の過角化を伴う。本症の病変部ではデスモゾームが解離し表皮細胞内に取り込まれ、またいくつかの細胞接着因子の分布の異常が見られる。そのため何らかの遺伝的背景に基づき、表皮細胞間の接着が障害されることが本症の発症原因と従来考えられていた。最近ダリエー病の原因遺伝子が同定された。小胞体Ca-ATPase(sarcoendoplasmic reticulum Ca ATPase ;SERCA)遺伝子ファミリーに属するSERCA2遺伝子の変異によることがわかった。しかしながら解決すべき課題は多々残されている。例えば本症では、精神症状などの合併症を伴うことがしられているが、SERCA2遺伝子の変異との関係は不明である。また、カルシウムを介した情報伝達に障害をきたし、その結果デスモゾームの形成障害などの細胞接着の異常を引き起こすものと考えられているが、その詳細に関しては全く不明である。今回のわれわれの研究目的は、SERCA2A遺伝子をノックアクトした角化細胞を作製し、細胞接着の異常の生じる分子機構を明らかにすることである。現在ターゲテイングベクターを作製中である。
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