研究課題/領域番号 |
12770423
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
皮膚科学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
小宮根 真弓 東京大学, 医学部・附属病院, 講師 (50215406)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
2001年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2000年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 表皮角化細胞 / ケラチン / 発現調節 / シグナル伝達 / 伸展刺激 |
研究概要 |
ケラチンは、表皮細胞の細胞骨格として細胞形態を保つのみならず、炎症に際してはその発現パターンが変化し、さらに炎症により生じたケラチンにより、炎症の持続がもたらされる。表皮細胞にたいする伸展刺激は、ティシューエクスパンダーの使用や、創傷治癒過程などにおける表皮細胞の動態に重要な役割を担っていると考えられる。今回、培養表皮角化細胞を、伸展可能なシリコン製のウェルに播種し、伸展刺激を加えることにより、ケラチン発現の変化を観察し、さらに伸展刺激により生じる表皮細胞のシグナル伝達について検討を加えた。伸展刺激により、分化型ケラチンであるケラチン10の発現が抑制され、代わりに炎症性ケラチンであるケラチン6の発現が誘導された。さらに、表皮細胞において、伸展刺激によりBrdUの取り込みが増加し、ERKおよびAktのリン酸化が認められた。BrdUの取り込みはMEK1、PI3Kの阻害剤により阻害され、またケラチン6誘導とケラチン10抑制は、MEK1阻害剤により阻害された。ERK、Aktのソン酸化も、MEK1、PI3K阻害剤の双方により阻害された。これらのことから、伸展刺激は、MEK1、PI3Kを介してERK、Aktのリン酸化をもたらし、さらにこれらの酵素を介して細胞増殖、ケラチン6誘導及びケラチン10抑制を生じていることがわかった。 また、炎症性サイトカインにであるTNFα、IL-1αもケラチン6を誘導することが明らかとなり、その誘導機序を含め、論文に発表した。
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