研究概要 |
中心溝同定におけるfunctional MRI (fMRI)と拡散強調画像の有用性を比較検討した.対象は中心溝近傍の脳腫瘍5例及び脳梗塞2例の計7例である。使用機種はGE横河メディカル社製1.5TSigna LXで、fMRIはGradient type EPI (TR2000/TE40、6mmthk、4 slice)を用いて,掌握運動で賦活された領域を元画像又はT1強調画像に重ねて表示した。また同じ断層面で拡散強調画像(b factor=1000)をMPGを別々に3方向に印可し、各々のanisotropic imageから3D anisotropy contrast(3DAC)を作成、fMRIの結果と比較した。なおfMRI解析ならびに3DAC作成にはMR用ワークステーションAdvantageWindows3.1を用いた。その結果,fMRIでは全例に中心溝に一致した賦活領域の描出が見られた。また3DACでは中心前回と中心後回の白質が上下斜方向の神経束として紫色に描出されたが、腫瘍により脳回が変形し浮腫が及んでいた例では一部描出不良であった。fMRIで賦活された領域は3DACでは中心溝から前中心回に沿って認められた。以上,fMRIと3DACのcortical mappingの結果は良く一致し、これらは中心溝の同定に有用と思われた。ただ3DACでは脳浮腫などにより神経束の異方性が減少し描出困難な場合もあると考えられた.
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