研究課題/領域番号 |
12770518
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
精神神経科学
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
高橋 道宏 山形大学, 医学部, 講師 (80282200)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2001年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2000年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | ホスホジエステラーゼ / リチウム / イミプラミン / ノーザンブロット |
研究概要 |
1 方法 Sprague-Dawley系雄性ラット(日本チャールズリバー)にリチウムと三環系抗うつ薬のイミプラミンを同時に投与し、これらの併用投与がPDE4B機能発現に及ぼす影響について検討した。リチウムは0.2%炭酸リチウム含有飼料として経口的に投与し、イミプラミンは15mg/kg、1日1回腹腔内投与とした。投与2週間後に前大脳皮質、海馬を採取し、RNA抽出キットによりtotal RNAを抽出した。1検体につき20μgのtotal RNAを用い、ノーザンブロット法により定量的に解析した。ハイブリダイゼーションはホスホジエステラーゼ4B(PDE4B)特異的cRNAプローブを用いて、65℃で18時間行った。また、断頭時に採血し、リチウム、イミプラミンの血清中濃度を測定した。統計はMann-Whitney U検定を用い、有意水準は0.05とした。 2 結果 (1)血清リチウム、イミプラミン濃度 血清リチウム濃度は、0.1%および0.2%炭酸リチウム含有飼料4週間投与群でそれぞれ、1.14±0.26mEq/l(n=9)であった。また、血清イミプラミン濃度は227±100ng/ml(n=6)であった。リチウム、イミプラミンともに血清中濃度は人における治療濃度域内であった。 (2)ノーザンブロット法による解析結果 炭酸リチウムおよびイミプラミン併用投与群では、海馬において対照群と比較して118.7±8.7%(n=5;p<0.05;Mann-Whitney U test)と有意な増加を認めた。一方前大脳皮質では、対照群と比較して有意な変化は認められなかった。 3 考察 本結果から、ラット海馬におけるPDE4BmRNAの上昇がリチウムの抗うつ作用の増強効果に関係することが示唆された。
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