研究課題/領域番号 |
12770532
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
精神神経科学
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
坂田 ひろみ 徳島大学, 医学部, 助手 (50294666)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2001年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2000年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | fetal alcohol syndrome / hippocampus / mossy fiber / rat / parvalbumin / NCAM / GAD67 / cerebellum / GAD_<67> / parvarbumin / calbindin D-28k / glia limitans |
研究概要 |
2.5-5%(w/v)のエタノールを含む液体飼料をSDラットの妊娠10-20日に与え、胎児性アルコール症候群(FAS)ラットを作製した。7週齢のラットをネンブタール麻酔下で灌流固定した後、脳を取り出し、海馬の前頭断ビブラトーム切片およびパラフィン切片を作製した。Nissl染色、Timm染色、および種々の抗体を用いた免疫染色を行って、海馬、特に空間学習に深く関与している背側海馬を観察した。 FASラットでは、背側海馬CA3領域の錐体細胞の配列が乱れており、錐体細胞に投射する苔状線維終末が異所性に認められた。以上より、海馬の主要神経伝達路である顆粒細胞-錐体細胞間の神経伝達の異常が推察された。GABA合成酵素であるGAD67の免疫染色を行ったところ、GAD67陽性細胞の減少が認められた。又、GABA神経細胞に発現することが知られているカルシウム結合蛋白、parvalbuminの免疫染色を行ったところ、対照ラットと比較して強い免疫陽性反応が認められた。よってFASラット背側海馬でのGABA神経系の異常が示唆された。苔状線維の正常投射に必須とされる細胞接着分子、NCAMの免疫染色では、異所性苔状線維も正常な苔状線維と同様にNACM陽性を示した。このことより、FASラットで認められた異所性苔状線維はNCAMの欠損や発現量の低下によるものではないことが示唆された。 以上より、胎生期アルコール曝露は、背側海馬での顆粒細胞-錐体細胞の神経伝達、およびGABA神経系を介した神経伝達の異常を惹起することが示唆された。今回我々が報告したFASラット背側海馬での異常は、ヒトFASで認められる空間学習の障害に関与していると考えられた。
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