追跡調査が可能であった対象の特性は男性9例、女性22例の計31例、平均年齢は48.7歳±11.2歳であった。罹患期間は25ケ月から60ケ月(つまり2〜5年間)が最も多く、全体の35.5%を占めた。平均罹患期間は、48.9ケ月間であった。 ICD-10での診断基準で分類すると、Depressive Episode15例(男性6例、女性9例)、Recurrent Depressive Disorder16例(男性3例、女性13例)であり、ほぼ同数であった。1年後の転帰は、完全寛解11例、不完全寛解6例、不変2例、悪化2例だった。 コントロール群との比較だが、コントロール群は男性8例、女性14例の計22例、男性対女性は1:1.8であった。平均年齢は、47.3±11.4歳であり、対象群と比較して、統計学的有意差は認めなかった。平均罹患期間は38.9ケ月間であり、対象群との統計学的有意差はなかった。ICD-10での診断基準で分類すると、Depressive Episode16例(男性11例、女性5例)、Recurrent Depressive Disorder6例(男性3例、女性3例)であり、対象群と比較してRecurrent Depressive Disorder例統が多い傾向が見られた。1年後の転帰は、完全寛解10例、不完全寛解9例、不変2例、悪化1例であり、対象群と比較して有意差はなかった。 評価項目の結果は以下の通りである。1.Beck Depression Inventory対象群9.4±7.1、1年後8.0±6.0、コントロール群10.7±6.2、1年後11.3±7.7、2.Hamilton Rating Scale of Depression 9.3±6.5、1年後8.3±8.2、コントロール群8.5±6.9、1年後9.5±7.5、3.Symptoms Check List対象群5.8±4.2、1年後5.4±4.7、コントロール群6.8±7.4、1年後12.8±8.2、4.the Center for Epidemiologic Studies depression14.9±9.2、1年後12.1±11.3、コントロール群13.3±8.1、1年後8.9±8.7-以上の結果を示し、統計学的有意差は認めなかったが、5年間の生存分析では、2〜3年間の再発率について、対象群の方が寛解維持率が高い傾向が認められた。
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