研究課題/領域番号 |
12770557
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
血液内科学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
高橋 宗春 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (30313125)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2001年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2000年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 造血幹細胞 / 体外増殖 / レトロウイルス / Notch / HES / 体外増幅 / アデノウイルス / AGM |
研究概要 |
造血幹細胞の試験管内増幅は、現在の造血幹細胞移植療法を補完する上でも、また将来の遺伝子治療や人工血液の開発の上でも、極めて応用性の高い技術である。この技術開発を行う上で肝要なことは、いかにして分化させることなく幹細胞を増幅するかという点である。Notchは細胞膜受容体型の糖蛋白質であり、細胞の分化を抑制するシグナルを伝達する。このため、造血幹細胞を未分化なまま体外で増幅する技術の開発につながるのではないかと期待されている。本研究では、Notchのシグナルを用いて造血幹細胞の体外増幅の可能性を検討した。当初アデノウイルスを用いていたが、最近レトロウイルスベクターの改良により、幹細胞活性を持つ細胞への遺伝子導入が容易に行うことができるようになった。本研究ではレトロウイルスベクターを用い、Notchシグナル分子であるHES-1をマウス骨髄造血幹細胞分画(Lin-Scal+c-Kit+CD34-)に導入した。これを放射線照射同系マウスに移植することにより、造血幹細胞が試験管内およびレシピエントマウス個体内で、コントールに比べより維持されるか否かを検討した。HES-1導入造血幹細胞は試験管内で2日間、および移植されたマウス個体で3ヶ月、コントロール細胞に比較してより維持され、全ての系統の造血細胞を再構築した。HES-1シグナルは、造血幹細胞の体外増幅に有用と考えられた。今後は、NotchリガンドによりHES1の発現誘導が得られること、および、Notchリガンドを用いてHES1導入と類似の効果が得られることの検証を行う計画である。
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