研究課題/領域番号 |
12770567
|
研究種目 |
奨励研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
血液内科学
|
研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
桐戸 敬太 自治医大, 医学部, 助手 (90306150)
|
研究期間 (年度) |
2000 – 2001
|
研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
|
配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2001年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2000年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
|
キーワード | 血小板 / 巨核球 / TPO / Stat3 / GATA-1 |
研究概要 |
血小板造血におけるStat3の機能をIn vivoで解明するために、赤血球・血小板系に特異的に発現するGATA-1の発現調整領域を用い、この下流にdominant negative型Stat3(stat3F)を結合させたトランスジェニックマウス(Stat3FTg)を作成した。このマウスを用い、以下の知見を得た。 1.このマウスの血小板では、Stat3Fの過剰発現を認め、またトロンボポエチン(TPO)によるStat3の活性化が抑制されていた。 2.末梢血検査では、血小板数を含め、コントロール群と差異を認めなかった。また、骨髄における巨核球の出現頻度ならびにその形態にも相違は見られなかった。 3.コロニーアッセイでは、CFU-Mkレべルには差異を認めなかった。 4.さらに、ストレス状態での造血においてStat3が果たす機能を調べるために、Tgマウスに(1)抗血小板抗体、(2)5FUをそれぞれ投与することにより血小板減少状態とし、以後の血小板数の回復過程について解析を行った。その結果、抗血小板抗体投与後の血小板回復については、Tgマウスとコントロール群との間に相違は見られなかったが、5FU投与後の血小板数の回復は、Tgマウス群において有意に遅延していた。また、骨髄における巨核球の出現にも遅延が見られた。 以上の結果より、Stat3は、定常状態における造血の維持には、必ずしも不可欠ではないが、ストレス状態において急激に造血能が上昇するさい、重要な機能を果たすものと考えられた。また、(1)Stat3が機能するステップとしては、成熟した巨核球ではなく、より未熟な前駆細胞レベルであり、(2)これらの造血前駆細胞の増幅を調整していることが考えられた。
|